NECは3月22日、100%連結子会社であるNECエンジニアリング(NECE)の従業員が、2002年3月から2005年12月まで架空取引を行っていたことが判明したと発表した。
NECE従業員が所属部門において架空の仕入れと架空の売上を計上していたことが判明したのは2005年12月末。NECは、社内で調査対応チームを編成し、外部の弁護士、会計士へ調査を依頼した。その結果、この架空取引が、実際に取引の対象となる物の移動があるかのように見せかけて、仕入先、NECE、販売先の3者間で取引を循環させていたもので、2002年3月から2005年12月まで繰り返して行われていたことが明らかになった。
この従業員は、書類を偽造するなどの違法行為に加え、この取引を通じて多額の金銭を着服しており、NECEはこの従業員に対して刑事告発などをするとしている。
NECEは、仕入先、販売先から確証を入手していたこと、社内での手続きに必要な書類をこの従業員が偽造して取り揃えていたこと、売上の入金が販売先から予定通り行われていたことなどから、2005年12月まで架空であることが認識できなかったとしている。
なお、今回の架空取引による影響額は、合計で売上高363億円、営業利益93億円となっている。NECはこの影響のほか、米国会計基準に基づき必要となる訂正の内容について、会計監査人と協議の上、過去の連結財務諸表を訂正するとしている。