マイクロソフト、自然言語検索のPowerset買収を正式発表

文:Ina Fried(CNET News.com) 翻訳校正:湯木進悟

2008-07-02 07:59

 最初はうわさに過ぎなかったのだが、その後に事実確認はなされていないニュースとして流れ、そしてついに正式な取引成立が発表された。Microsoftは、Powersetを買収する。

 Microsoftは米国時間7月1日、Live Searchの公式ブログ上で、買収を正式に発表した。

 Microsoftは、同ブログへの投稿で「サンフランシスコに本社がある、セマンティック(自然言語)検索を専門とするPowersetの買収に関して、正式な合意に至った発表が行えることを非常に喜ばしく思う」と述べている。Powersetの従業員は、Microsoftのコア検索関連チームに加わり、引き続きサンフランシスコを拠点とする。Microsoftは、Powersetのテクノロジが、Microsoftの研究部門内で進められている、既存の自然言語処理プロセスの開発事業を補うものとなることを明らかにした。

 買収に関する(金銭面での)条件の詳細は公表されていないが、VentureBeatが先週伝えた買収交渉についての報道によれば、Microsoftは1億ドル、あるいはそれ以上を支払うことに合意しているという。

 XeroxのPalo Alto Research Center(PARC)から技術ライセンスを取得したPowersetは、このほどWikipediaの検索ツールを公開した。Powersetには63人の従業員がおり、全員がサンフランシスコのソーマ地域に勤務している。

 PowersetのMark Johnson氏は、同社が目的達成のために、より多額の資金を必要としていたことを、公式ブログへの投稿で明らかにした。

 「どのスタートアップ企業にも共通する点として、アイデアの実現に取り組み、その後も発展を続けられる企業となっていくのは挑戦である。Powersetでは、Wikipediaの検索エクスペリエンスを通じて、未来の検索技術を実証するなど、われわれの持つアイデアを、世界に通用するセマンティックな検索プラットフォームへと変革することに成功してきた。しかしながら、スケールの大きいセマンティックな検索エンジンを開発するには、スタートアップ企業の想像をはるかに超えるコンピューティングリソースおよび開発努力が求められ、多額の資金が必要となる。(中略)Microsoftによる買収こそが、われわれのテクノロジを、より大規模に市場に提供するための最速の手段であると確信している」と、Johnson氏は記している。

 Powersetは2006年11月、Foundation Capital、Founders Fund、エンジェル投資家らによるシリーズA資金調達により、1250万ドルを得ていた。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. ビジネスアプリケーション

    生成 AI 「Gemini」活用メリット、職種別・役職別のプロンプトも一挙に紹介

  2. セキュリティ

    まずは“交渉術”を磨くこと!情報セキュリティ担当者の使命を果たすための必須事項とは

  3. セキュリティ

    迫るISMS新規格への移行期限--ISO/IEC27001改訂の意味と求められる対応策とは

  4. ビジネスアプリケーション

    急速に進むIT運用におけるAI・生成AIの活用--実態調査から見るユーザー企業の課題と将来展望

  5. セキュリティ

    マンガで分かる「クラウド型WAF」の特徴と仕組み、有効活用するポイントも解説

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]