IBMが欧州のメインフレーム市場でその地位を濫用してきたと主張する申し立てが、現地時間1月20日に欧州委員会へ提出された。
米国に本拠を置く小規模なメインフレームサプライヤー、T3 Technologiesが出した声明によると、同社はこの申し立てで、IBMには「メインフレーム業界においてその独占的な力を濫用してきた歴史がある」と主張しているという。
IBMは、「同社OSの販売を同社メインフレームハードウェアに結びつけ、競合するメインフレームハードウェア製品の販売を妨げる」など、さまざまな反競争的行為に従事していると非難されている。IBMはさらに、「特許のライセンス供与と特定の知的財産を保留し、メインフレームの顧客に損害を与えている」と非難されている。
T3は声明の中で、同社はかつてIBMのメインフレームを販売していたが、後にAmdahl(現在は富士通の傘下)が最初に開発したメインフレーム「Liberty」の販売に移行したと述べている。
2007年には、米国のソフトウェアメーカーPlatform Solutionsが、IBMはメインフレームコンピュータのインターフェース情報の提供やソフトウェア利用を許可するライセンスを拒むことにより、市場の独占状態を濫用しているとする申し立てを、欧州委員会に提出した。だが、2008年7月にIBMがPlatform Solutionsを買収したため、この訴えは取り下げられた。こうした動きを受けて、技術関連のロビー団体Computer and Communications Industry Association(CCIA)は、買収がメインフレーム市場におけるIBMの独占につながるとの懸念を表明した。
CCIAのプレジデントを務めるEd Black氏は当時、この動きは「(メインフレームの)市場から活力を吸い取るもので、IBMによる完全な支配のほかには、ほとんど何も見込めなくなる」と述べた。
IBMの広報担当者は1月20日、ZDNet UKの取材に対し、「IBMはいかなる申し立ても見ておらず、その件に関する具体的なことにコメントするのは不適当だ」と述べた。ZDNet UKはT3へもコメントを求めたが、執筆時点では回答を得ていない。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ