HP、サンの既存顧客獲得プログラムを強化--マイクロソフトやノベルなどと提携

文:Lance Whitney(Special to CNET News) 翻訳校正:緒方亮、長谷睦

2009-12-17 12:51

 Sun Microsystemsの今後が不透明なことで、確実に得をしているのがHewlett-Packard(HP)だ。同社は今回、Sunの顧客をさらに獲得すべく、複数のパートナーと手を組んだ。

 OracleがSun買収の完了に手間取る中、HPは米国時間12月15日、Microsoft、Novell、Red Hatと協力し、Sunの既存顧客にさらなる乗り換え推進策を提供すると発表した。

 HPによると、「HP Complete Care」プログラムを通じた特別サービス、サポート、および乗り換え奨励金の提供で、同社は2009年10月31日までの12カ月間に350以上のSunの既存顧客の獲得に成功したという。そこで同社は、新しいパートナーの協力を得てプログラムを拡大し、「安心感」を切り札に、HP製品をSunの顧客に提供することになった。

 HPによると、新しくなったHP Complete Careプログラムでは、Novellのトレーニング「SUSE Linux Enterprise Fundamentals」の50%引き、「Red Hat Global Training」の25%引き、同社がフランスに設けたMigration Competency Centerによる充実したサポートといった特典が提供されるという。

 また、新たなパートナーシップにより、UNIXやWindows Server、SUSE Linux、Red Hat Linux、さらにはSun自身のSolarisまで、顧客は多様なサーバOSを選択可能になり、柔軟性が増したとHPでは述べている。

 OracleがSun買収の意思を表明したのは4月中旬のことだが、欧州委員会(EC)などがOracleが所有する「MySQL」について懸念を表明したことで、買収手続きは滞っている。Oracleは12月14日にMySQLを保護し維持するとの意向を示し、これによりECの懸念は緩和されたようだ。とはいえ、このように買収が完了しないままで月日が流れれば、おそらくはSunの顧客も、どこかよその業者に移った方がいいのかと考えだすはずだ。

 2日付のIDCのレポートによると、Sunの第3四半期のサーバ売り上げは前年同期比で35%減少している。ライバルであるHPやIBMも前年同期比で売り上げを落としているが、Sunに比べると減少幅はかなり小さいものにとどまっている。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    「デジタル・フォレンジック」から始まるセキュリティ災禍論--活用したいIT業界の防災マニュアル

  2. 運用管理

    「無線LANがつながらない」という問い合わせにAIで対応、トラブル解決の切り札とは

  3. 運用管理

    Oracle DatabaseのAzure移行時におけるポイント、移行前に確認しておきたい障害対策

  4. 運用管理

    Google Chrome ブラウザ がセキュリティを強化、ゼロトラスト移行で高まるブラウザの重要性

  5. ビジネスアプリケーション

    技術進化でさらに発展するデータサイエンス/アナリティクス、最新の6大トレンドを解説

ZDNET Japan クイックポール

自社にとって最大のセキュリティ脅威は何ですか

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]