ミラクル・リナックスは、遅くても2005年10月末までに日中韓が共同開発するLinuxディストリビューション新版「Asianux 2.0」の日本向け製品「MIRACLE LINUX V4.0」を出荷する。Linuxの中心部分であるカーネルの最新版2.6を採用したLinux製品である。
同社が主催して3月2日に行われたAsianux 2.0関連イベント「MIRACLE Technology Conference 2005」で明らかにした。Asianux 2.0の完成は7月末であり、最長で3カ月のソフトウェア稼動認定取得期間を経ての出荷となる。
![]() 左から中国、韓国、日本のAsianux共同開発企業3社の代表 |
Asianuxは、日本のミラクル・リナックス、中国のRed Flag Software、韓国のHaansoftの3社が共同で開発するLinuxディストリビューションである。共同開発の背景には、日本や中国、韓国の政府とITベンダーが共同でオープンソースの利用を推進する活動を実施しているという状況がある。こうした動きを受け、中国が日本に話を持ちかけ、言語対応などを考慮したアジア向けLinuxの開発に着手した。Red Flag Softwareは中国政府の資本が入った企業である。Haansoftの参画は遅く、3国がAsianux 2.0の共同開発を表明した2004年10月のことである。
カンファレンスでは、Asianuxの開発会社3社の代表が講演し、各国の最新動向を説明した。ミラクル・リナックスの佐藤武社長は、「政府の意向として、(ブラックボックスでない)オープンソースを、とりわけLinuxを使っていこうとする動きがある。Asianuxは、このニーズに適合する」とAsianuxの意味を説明。加えて、Asianux 2.0が注力する高可用性や言語対応の強みについて述べた。
![]() ミラクル・リナックス代表取締役社長の佐藤武氏 |
中国Red Flag SoftwareのExecutive PresidentであるChris Zhao氏は、「アジア諸国は他の国と異なる文化を持っている。ユーザーは国ごとにローカルなLinuxを必要としている」と新しいディストリビューションを作る意味を説明。同社のLinuxは、中国のLinuxの中で60%のシェアを持つ最大のディストリビュータである。
韓国HaansoftのCEO、Jong Jin Beak氏は、韓国が歴史的に官公庁でRISC UNIXが、民間企業でWindowsが強いという状況に触れた上で、「Linuxにとって大きい潜在重要が広がっている」という見方を示した。同社のワードプロセッサはMicrosoftのWordを抑えて70%ものシェアを握っており「Microsoftが市場の占有に唯一失敗した国が韓国だ」として、自社ブランドの認知度に自信を覗かせた。
日本国内のAsianux出荷実績に、2月28日に出荷した「MIRACLE LINUX V3.0 - Asianux Inside for x86-64」がある。佐藤武ミラクル・リナックス社長は、「データベース管理ソフト(Oracle)を動作させるプラットフォームとして堅実にランセンス出荷数が増えている」と業績を説明。特に導入コンサルティングを含めたOracle 10g向けの案件が目立つという。
MIRACLE LINUX V4.0の出荷が10月頃まで伸びる理由について佐藤武社長は「ユーザーはマチュアな(十分に熟成した)製品を求めている。ソフトウェアの動作検証の期間を十分とって認定を受けることが大切」と語った。同じカーネル2.6を採用したLinuxとしては、例えばRed Hat Enterprise Linux v.4は米国で2月に出荷を開始している。
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