マイクロソフトは1月30日、「Microsoft Windows Vista」および「2007 Office system」の一般販売を開始した。マイクロソフトがOSとOffice製品を同時に発売するのは、「Windows 95」および「Office 95」以来12年ぶりのこととなる。
製品の発売に伴い、マイクロソフトは記者会見を開催した。会見場にて同社 代表執行役社長のDarren Huston氏は、「Vistaの登場で、コンテンツの幅が広がる。画像や音楽などのコンテンツのデジタル化が進む中、Vistaを通じて大きな変化が起こる」とし、Windows本部 本部長のJay Jamison氏は「Vistaは今までのWindowsのどのリリースよりも使いやすく、安全に、そして楽しくなった」とアピールした。
Huston氏は、「Vistaは、Windows XPの2倍、そしてWindows 95の5倍は売れるだろう」と意気込んでいる。
Vistaの目玉のひとつとなるのは、エンターテインメント性の高さだ。VistaにはWPF(Windows Presentation Foundation)が採用されており、「ウェブサイトもフラットではなく、多次元的な閲覧が可能となる。自分の好きな方向からコンテンツが見られるほか、インタラクティブ性の高いサイトを構築できる」とHuston氏。30日には、Vistaの発売と同時に41社から45のVista対応サービスが発表されている。
同日新サービスを発表したパートナーは、デジタルエンターテインメントサービスを提供するウェザーニューズやオンキヨーマーケティング、CinemaNow Japan、日本テレビ放送網、バンダイチャンネル、ヤフーのほか、Vista対応のウェブサービスを提供するNTTレゾナント、シーネットネットワークスジャパン、スクウェア・エニックス、ワーナー・マイカルなどだ。
それぞれが、VistaのUltimate版もしくはHome Premium版に搭載されるWindows Media Centerにて利用可能なリモコン対応の動画コンテンツなどをはじめ、WPF対応のコンテンツやサイドバー、ガジェットなどを提供する。
例えば日本テレビでは、ニュース専門チャンネル「日テレNEWS24」のコンテンツと、地上波と連動した独自番組などを提供する「第2日本テレビ」のコンテンツを3月より動画配信する。また、Vistaに標準搭載される音楽プレーヤー最新版「Windows Media Player 11」上には、レーベルゲートやリッスンジャパン、HMVジャパンなどが新たにオンラインストアを開設する。
Jamison氏によると、Vista発売と同時に発表された各PCメーカーからのVista搭載機種は247機種。Vistaを単体で購入するユーザーに対し、アップグレードの際に確認すべき項目を記載したサイトも用意されている。同サイトでは、現在利用しているハードウェアやソフトウェアとVistaとの互換性や、Vistaを利用するためのシステム要件、各エディションの機能の差、アップグレード方法、データの移行方法などの情報を得ることができる。
Vistaの価格は、Home Basicの通常版が2万5800円、アップグレード版が1万3800円、Home Premiumの通常版が2万9800円、アップグレード版が1万9800円、Businessの通常版が3万7800円、アップグレード版が2万5800円、Ultimateの通常版が4万8800円、アップグレード版が3万1800円。2007 Office systemは、Office Personal 2007の通常版が4万4800円となっている。
Home PremiumおよびUltimateのパッケージまたは同バージョン搭載PCを購入したユーザーに対しては、「Windows Vista Song de Premiumキャンペーン」と称した特典を提供する。HMVジャパン協力の下、1月30日から2月28日まで毎週先着5千人、合計2万人に好きな音楽を1曲無料でダウンロード提供するというものだ。
Huston氏は、「PCが誕生してまだ25年しか経過していないが、PCはわれわれの生活を大きく変えた。今後の25年はこれまでの25年以上の変化があるだろう。幼稚園児も、高齢者も、皆PCを簡単に使えるようになる。Vistaはその突破口ともなる。一度Vistaを体験すれば、もう元には戻れない」と述べた。