FSF、GPL 3リリース延期を示唆--3月以降にずれ込む可能性

文:Stephen Shankland(CNET News.com) 翻訳校正:編集部

2007-02-13 11:28

 Free Software Foundation(FSF)が、3月までに「GNU General Public License(GPL)」の新バージョンを用意する計画を撤回した。しかし、大きな影響力を持つ同オープンソースライセンスのドラフト第3版についてはまもなく投入される見込みだ。

 FSFはGPLの改訂に着手した際、リリース予定を最終の「ラストコール」ドラフトでは1月15日、そしてGPL 3最終版では「遅くとも2007年3月まで」とした。だが現時点では、エグゼクティブディレクターのPeter Brown氏がスケジュールの確定に消極的になっている。

 Brown氏は、「まだラストコールドラフトの作業が終わっていないが、これは今後2〜3週間中に用意できると思う。完成版の投入日など、それ以外はまだ何も決まっていない」と語っている。

 GPLの改訂は込み入った作業が続いており、無数の個人や法人からはさまざまな意見が出されている。GPLプロジェクトとしては恐らく最も成功し知名度も高いLinuxカーネルで中心的役割を担うLinus Torvalds氏などのプログラマーはGPL 3のデジタル著作権管理手法を強く非難しており、Hewlett-Packard(HP)も特許保護条項の詳細部分に対して抗議している。その一方で、Sun MicrosystemsはGPL 3を好意的に受け入れ、JavaとOpenSolarisの両方での採用を検討している。

 ただ11月には、LinuxベンダーのNovellとMicrosoftとの間の特許および技術提携に関連して問題が浮上してきた。Microsoftはこの提携で、Novell製Linuxの顧客を特許侵害で訴えないことに同意している(この複雑な提携ではさらに、双方間の特許料支払い、共同マーケティング、そしてMicrosoftによるNovellの「SUSE Linux Enterprise Server」販売も規定されている)。

 「確かに、われわれの頭はこのことでいっぱいだ」とBrown氏は語っている。

 一方、FSFを設立したRichard Stallman氏は11月、最新のGPLドラフトではこのような提携が禁じられていないが、文言に修正を加えているので正式版では禁じられるようになる、と語っている。

 「GPLのバージョン3の文言ではこのようなことに対する規制がないことが判明したので、Microsoftがこのタイミングで行動してきたことは良かった。今なら遅すぎることはなく、実際にGPLのバージョン3を用意するときは、このような提携は必ず禁じるようにする」とStallman氏は語っている。

この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    「デジタル・フォレンジック」から始まるセキュリティ災禍論--活用したいIT業界の防災マニュアル

  2. 運用管理

    「無線LANがつながらない」という問い合わせにAIで対応、トラブル解決の切り札とは

  3. 運用管理

    Oracle DatabaseのAzure移行時におけるポイント、移行前に確認しておきたい障害対策

  4. 運用管理

    Google Chrome ブラウザ がセキュリティを強化、ゼロトラスト移行で高まるブラウザの重要性

  5. ビジネスアプリケーション

    技術進化でさらに発展するデータサイエンス/アナリティクス、最新の6大トレンドを解説

ZDNET Japan クイックポール

注目している大規模言語モデル(LLM)を教えてください

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]