Microsoftは米国時間11月3日、「Windows Vista」の海賊版の割合が「Windows XP」に比べて半分にとどまっていると発表した。
皮肉屋の私としては「違法コピー業者でさえ2対1の割合でVistaよりもXPを支持している」とまとめたいところだが、それでは不公平というものだろう。実際、海賊版の割合が低いのは、VistaはXPよりも違法コピーを作るのが難しいという事実によるところが大きい。
MicrosoftのバイスプレジデントMike Sievert氏は3日の取材に応えて、「海賊版の割合が低いのは、コピーを作るのが困難だからだ」と述べている。
これにはさまざまな理由がある。たとえば、マシンの台数に制限なくライセンス認証が可能な、企業向けのボリュームライセンスキーを廃止したこともその1つだ。もう1つには、正しくライセンス認証できなかったVistaマシンはすぐ「機能制限モード」に移行してしまい、基本的に使用不可能になってしまうことが挙げられる。
Microsoftにとって、得るところは大きかった。同社は2007年7−9月期の決算を発表する電話会見で、「Windows」の売り上げが25%増加したうち、5ポイントは海賊版の減少に起因するものだと述べている。
ところが興味深いことに、MicrosoftはVistaの海賊版利用者に対する処置を少々緩める姿勢を見せている。「Windows Vista Service Pack 1(SP1)」では機能制限モードが廃止され、非正規品であることが判明したシステムには目立つ注意書きが表示されるようになる。
SP1を組み込んだ非正規品を起動すると、システムのライセンス認証が正しく行われなかったという警告が表示される。ユーザーには「今すぐ認証を行う」「後で認証を行う」という2つのオプションが示されるのだが、後者のオプションはやや遅れて表示される。さらにデスクトップ画面の背景が白に変わり、マシンのシステムが非正規品であることを告げる目立つ注意書きが画面右下に表示されることになる。
それでも、この重大な変更によって、Vistaの非正規品使用者やライセンス認証をしていない利用者も、システムを使用することができるようになったわけだ。Sievert氏によると、この変更は、違法コピー行為を抑制すると同時に、Vistaの違法コピーを知らずに手に入れてしまった顧客への影響を最小限に抑えるためのものだという。
「こんな目にあいたいと思う人はいないだろう。と同時に、より公正なやり方だと広く認めてもらえるものと思う」と、Sievert氏は語る。
しかし、この措置によって海賊版の割合がふたたび高まることはないのだろうか?Vistaをただで使えるのなら、見苦しい大きな表示くらい我慢するという人はいると私には思えるのだが。現在のVistaでは、我慢しようにも選択肢自体がない。
また、SP1では、違法コピー作成者がMicrosoftのセキュリティをくぐり抜けるのに利用していた、2つの大きな抜け穴が修正された。1つは、大手コンピュータメーカーがVistaマシンを出荷前にライセンス認証するのに使用するプロセスを模倣するもので、もう1つは、マシンのライセンス認証猶予期間を延長するものだ。中には、猶予期間を何十年も延長したケースもある。Microsoftがライセンス認証手続きに存在する欠陥を修正するのはこれが初めてというわけではない。同社は2006年12月、Vistaのリリース候補版と正式版のファイルを組み合わせることで認証を回避しようとする「フランケンビルド」と呼ばれる手法が使用できなくなるよう、Vistaに変更を加えている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
関連情報
-
「Vista」への注目をなんとか呼び戻したいマイクロソフトの取り組み
マイクロソフトは、「Windows Vista」を体験した消費者を十分満足させられなかったことや、ドライバがそろっていないかったことを認めた。だが、一部の不備を修正すれば、Vistaの優れた点に注目が集まると期待している。 - MS、「Windows Vista SP1」テスト版リリースについてまたもや誤った告知
- MS第1四半期決算、「Vista」「Halo」で好調維持 [From CNET Japan]
- MSの海賊版ソフト対策サーバでトラブル、正規版ユーザーを誤認識
- Vista違法コピーを防ぐ--対策強化を進めるマイクロソフト
- MS、Vistaのアップデートをリリース--海賊版をさっそく取り締まり
- Vistaのライセンス認証は30日以内に--MS、新たな海賊版防止技術を導入へ [From CNET Japan]
- Microsoft
「新しいOSの選択肢」 の新着情報
-
作戦は第2段階へ--MS、Silverlight 2でリッチコンテンツ&RIA配信の覇権狙う
マイクロソフトは10月10日、Microsoft Silverlight 2に関する説明会を行った。 - マイクロソフト、セキュリティ情報の開発者向け先行通知を開始
- 予想通り:MSはWindows 7でUACを微調整する予定
- 「Strata」とはマイクロソフトのクラウドOSプラットフォーム
- 「Windows Cloud」の正式名称、「Windows Strata」に決定か
- 新しいOSの選択肢 一覧へ »
「OS/プラットフォーム」 のバックナンバー
-
「Windows Cloud」の正式名称、「Windows Strata」に決定か
マイクロソフトは、クラウドベースの新OS「Windows Cloud」の発表を示唆しているが、同OSの正式名称が「Windows Strata」となる可能性がうわさに上がっている。 -
「iPhone 2.2」、日本の絵文字とStreet Viewに対応か--ベータ版から明らかに
-
クラウドコンピューティングからシンクライアントを考える:その2(ZDNet Japanブログより)
-
MS、「Windows XP」ディスク提供を6カ月延長--大手PCメーカー向けに決定
-
MS、Windows HPC Server 2008日本語版の提供開始--HPCの大衆化を目指す
- OS/プラットフォーム 一覧へ »
ZDNet Japan Essential Topic
-
【一流企業が用意する活躍の舞台】
各社のキーマンが考えるキャリア*公開中! -
コラボレーション基盤特集
Notes置換とバージョンアップの情報はこちら
企画特集
-
Techno Exchange
RackableとCTCの地球にやさしい関係 -
ERPパッケージの導入を成功させるコツ
成功させるコツをクイズ形式のWebcastで配信中 -
グリーンITの第一歩は見える化です
経営・財務・情報システムの3つの視点から環境対応を考える -
これからの時代のセキュリティ対策
くるぞ!in the cloudソリューション -
ZDNet Japan Green IT
サミットだけでは終わらせない!エンタープライズの取り組みはこれからだ! -
エンタメCGM「gooメーカー☆メーカー」
【第2回】メーカー/占いのコンテンツを作ってみた! -
なぜ社内文書は無秩序に分散するのか?
真の文書管理を考える3か条に迫る!
ZDNet Japan イベント
- 開催日:2008年10月23日(木)
- イベント一覧へ»