オープンソース企業のRed Hatは、Linux OSに「リアルタイム」機能を追加するソフトウェアをリリースした。同社によると、これによって一部の機能が他社の技術と比べて100倍高速に実行できるようになるという。
Red Hatは米国時間12月4日に「Messaging Real-time Grid(MRG)」のベータ版をリリースした。正式版は2008年上半期にリリースされる予定である。MRGは同社の「Red Hat Enterprise Linux(RHEL)」プラットフォームへの追加ソフトウェアであり、ITシステムでトランザクションをほぼ瞬時(つまり「リアルタイム」)に実行する必要がある銀行などの企業を念頭に設計されている。
Red Hatのインフラストラクチャ事業部担当バイスプレジデントであるScott Crenshaw氏は3日に実施されたリリース前日のイベントで、MRGによってRed HatのコアOSにリアルタイム機能が装備されると述べた。リアルタイムOSを導入すればITマネージャーはレスポンスタイムを保証することができ、必要とされるサービスレベルを確保するために過剰投資する必要がなくなるとCrenshaw氏は説明する。「当社では、リアルタイム機能がインフラストラクチャの標準的な要素になると予測している」(Crenshaw氏)
MRGにはメッセージキューイングミドルウェアが搭載され、これによってアプリケーションは互いに通信することが可能になる。MRGはAdvanced Message Queuing Protocol(AMQP)を初めて商用ソフトウェアとして実装した製品であり、このオープンソースシステムはTibcoやIBMなどのプロプライエタリな競合製品と比べて100倍高速であるとCrenshaw氏は主張する。
「これが速度を100倍向上させることができる最後の機会であるとは思わない」とCrenshaw氏は言う。同氏はメッセージングサービスの速度向上はコミュニティー開発モデルに負うところが大きいとしている。
MRGは、ユーザーとソフトウェアベンダーの両者にとってエンタープライズインフラストラクチャの構築を簡易化するための取り組みとしてRed Hatが11月に発表した、同社のLinuxオートメーション戦略の最初の成果である。「あらゆるアプリケーションがどこでも実行できる」とRed HatのEMEA(欧州、中東、アフリカ)地域担当バイスプレジデントのWerner Knoblich氏はイベントで述べた。「物理サーバでも仮想サーバでもコンピュートクラウドでもアプライアンスでも実行できる。ソフトウェアベンダーは1度動作を認証するだけでよく、あとは自動的にあらゆる場所で動作する」(Knoblich氏)
MRGプラットフォームのもう1つの特筆するべき機能はグリッド機能である。これはエンタープライズアプリケーションがLinuxデスクトップの余ったプロセッササイクルを「スチール」することを可能にするものだ。「従来、グリッドはハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)を目的としていたが、当社はそれをあらゆるアプリケーションに拡大した。当社ではそれをハイスループットコンピューティング(HTC)と呼んでいる」とCrenshaw氏は述べる。「たとえばウェブサーバに対する要求が多い場合、企業のITシステムはデスクトップやAmazonの『Elastic Compute Cloud』のような商用グリッドサービス上のより多くの能力を利用できるようになる」(Crenshaw氏)
このグリッド機能は、Red Hatの技術者と学術研究者が協力したウィスコンシン大学とのジョイントプロジェクトが元になって開発されたとCrenshaw氏は述べる。デスクトップからサイクルを「スチールする」機能は、IntelのvProデスクトップ管理テクノロジとの統合によって実現している。このテクノロジもRHELのデスクトップシステムの管理能力を向上させている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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