Microsoftはこれまで次期OSである「Windows 7」についてはほとんど何も発表してこなかったが、少なくとも1つの外部組織にWindows 7の初期テスト版を提供した。
Microsoftは先週、裁判所に提出した報告書の中で、米国における独占禁止法訴訟の和解内容をMicrosoftが順守しているかどうかを検証する技術委員会にWindows 7のテスト版を提供したことを認めた。
Windows 7は全21ページの共同現状報告書の3分の1あたりに突然登場し、その最初の部分でMicrosoftは、技術委員会がWindows 7の詳細が明らかになっていない点を確認したがっていると述べている。
「さらに(技術委員会は)Windows 7自体の検証を始めた」とMicrosoftと規制当局は同報告書の中で述べている。「Microsoftは最近、技術委員会にWindows 7のあるビルドを提供し、技術委員会で進行中のテストについて協議している。技術委員会はWindows 7の将来のビルドについてミドルウェア関連のテストを実施する予定だ」
先週の裁判所の法廷審問ではWindows 7は大きな話題にならなかったが、今週、Information Weekなどに取り上げられた。
MicrosoftはWindows 7の発売時期について発表しておらず、搭載される機能についても多くを語っていないが、Bill Gates氏は最近のCNET News.comとのインタビューでWindows 7は音声認識などのナチュラルインターフェースの分野で「大きな前進」があると述べている。
共同現状報告書でもう1つ注目すべき点は、コンピュータの起動時に使用されるファームウェアのメーカーであるPhoenix Technologiesが、Microsoftによる「Vista」のライセンス供与条件では仮想マシンで実行できるVistaのバージョンが限定されていることに苦情を申し立てていた事実である。
「Microsoftは原告州および技術委員会と協議した結果、使用許諾契約書(EULA)の制限を撤廃することに同意し、実際にそのようにした」とMicrosoftは同報告書で述べている。「この変更は広く報道され、業界誌でも好感を持って受け止められている」
要するに、Microsoftは1月にその変更を発表した時点ではPhoenixの苦情についてまったく触れていなかったということだ。
グループプロダクトマネージャーのPatrick O'Rourke氏は、変更の発表時に電話インタビューで「今こそ技術愛好家がもっと簡単に(中略)仮想化を体験して、それが自分にとってふさわしいものであるかを確かめられるようにするべき時だとわれわれは考えている」と語っていた。
ZDNetのブロガーであるMary Jo Foley氏は、最近Microsoftは変更を発表した後からその変更の動機となった可能性のある外部からの圧力を公表したために、自社に対する信頼を損なったと指摘する。もう1つの例では、Microsoftは2月に一連の相互運用性の原則を発表したが、結局はその1週間後に欧州連合(EU)から記録的な制裁金を科されたにすぎなかった。
CNET News.comとのインタビューで発表のタイミングについて尋ねられたCEOのSteve Ballmer氏は、Microsoftは相互運用性に関する発表をしたときにEUから制裁金を科されるのはわかっていたが、制裁金は過去の非順守に関連したものであり、Microsoftとしてはその発表の前にすでに順守していたと考えていると主張した。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ