Macのシェア、急速に拡大中--Vistaは振るわず

文:Matt Asay(Special to CNET News.com) 翻訳校正:湯木進悟

2008-07-04 08:11

 オンライン調査会社Net Applicationsは、6月にAppleがMac OS Xで獲得した市場シェアが、7.94%に達したことを発表した。現在のMac OS Xの成長率が、毎月0.18%増を記録していることからすれば、Macは7月末までに、世界のデスクトップオペレーティングシステム市場の8%を確保するようになることを意味する。Linuxも、まだ0.8%と低いシェアではあるものの、引き続き上昇傾向にある。

 では、減少傾向にある、唯一の主要なデスクトップOSとは何であろうか?それはWindowsである。Inquirerが伝えているように、Macのシェアは32%増となったのに対して、実際のところ、Windows XPは1%減、Vistaはわずかに2.56%増となった。Windows全体としてはどうだろうか?Windowsのシェアは、2.45%減となってしまった。

 Macの販売ペースは、いまやWindowsの3.5倍に達している。ここで2つの大きな疑問が沸き起こる。

  • どの時点から、より急速にMacの普及スピードが増すことになるだろうか?言い換えるならば、Macの採用が、大きな転換点を迎えるのはいつだろうか?
  • Appleは、この成功に十分に備えられているのだろうか?それを望んでいるのだろうか?

 最後の疑問は、もし皆がBMWを運転するようになったらどうなるかを想像してみてほしい。BMWは、そう強く願っているのではないだろうか?おそらくはそうであろう。BMWは、準排他的な文化とも呼ぶべきものを守ろうと、懸命に努めている。Appleに関しても同じである。もし皆がMacを持つようになれば、これは変わってしまうのだろうか?それほどの人気を博しつつも、依然としてクールな存在であることは可能だろうか?

 また、Appleで高く評価されている、セキュリティ分野での優位性に関してはどうだろうか?筆者は、アーキテクチャの重要性を認識するようになっており、悪意のあるハッカーがターゲットに定めてきたとしても、AppleのUNIXベースのOSは、Windowsよりも良いアーキテクチャを持っていると確信してはいるものの、Mac OS Xが攻撃に強いという神話が崩れ去ってしまう可能性もあるだろう。

 Appleのサポートはどうであろうか?Appleのサポートは、これまで高い顧客満足度を記録してきたものの、市場シェアが5%の時と20%の時では状況が異なり、資格あるサポートスタッフを見出すのさえ、より困難になるだろうか?

 とにかく筆者は、Macのファンとして、こうした「挑戦」への用意を整えており、楽しみにしてもいる。Appleは、用意ができているだろうか?約8%の市場シェアを獲得し、引き続き伸びている現在、Appleは今後の準備を整えていく必要がある。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    まずは“交渉術”を磨くこと!情報セキュリティ担当者の使命を果たすための必須事項とは

  2. ビジネスアプリケーション

    改めて知っておきたい、生成AI活用が期待される業務と3つのリスク

  3. セキュリティ

    「2024年版脅威ハンティングレポート」より—アジアでサイバー攻撃の標的になりやすい業界とは?

  4. ビジネスアプリケーション

    Google が推奨する生成 AI のスタートアップガイド、 AI を活用して市場投入への時間を短縮

  5. クラウドコンピューティング

    生成 AI リスクにも対応、調査から考察する Web ブラウザを主体としたゼロトラストセキュリティ

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]