Appleは長い間、「5%は達成、残りはあと95%」という販売スローガンを非公式に掲げていた。この数字は、Appleのコンピュータ事業における市場シェアを表したものだ。
われわれは以前、Appleに対し厳しい評価を示したこともあった。というのも、同社は常に掲げていた、この5%という市場シェアさえ達成していなかったからだ。しかし最近になって、少なくとも米国市場では、Appleのシェアはこの数値を優に超え、10%の大台に近づきつつある。
確かに、「Windows」がコンピュータ市場を支配している状況に変わりはないが、Appleのオペレーティングシステム(OS)、「Mac OS」は市場シェアを伸ばし続けている。調査会社Gartnerが米国時間7月16日に発表した2008年第2四半期の市場シェア報告書によると、米国内でのAppleの出荷台数は前年同期比38%増となり、全出荷台数に占める割合も前年同期の6.4%から8.5%へと拡大している。また、調査会社のIDCが同じく16日に発表した報告書では、Appleのシェアはやや低い7.8%となっているが、前年同期の6.2%と比較して上昇傾向にあるのは変わりない。
「同社は非常に優れた製品を投入し、順調な成果を上げている。そして、同社の他の製品に対する熱狂的な盛り上がりと報道をプラスに活用している」と、IDCのアナリストLoren Loverde氏は電話による取材で語った。
Microsoftは、長年、多額の費用をかけてWindowsの販売促進に取り組んできたが、今回の調査値を見る限り、同社の思うように事は運んでいないようだ。米国のコンピュータ出荷台数が前年同期比で4.2%しか増えていないことを考えると、AppleのMac OSがWindowsを追い上げているのはMicrosoftにとって大きな痛手だと、Gartnerは分析している。
全世界で見ると、2008年第2四半期のコンピュータ出荷台数は16%増と堅調に増加しているが、Appleのシェアは当然ながら米国市場よりはるかに低い。IDCによれば、米国市場では伸びているAppleも、世界市場での2008年第2四半期のシェアは3.3%だったという。この数値は第1四半期の結果をやや下回っているが、前年同期の2.9%よりは高い。
IDCのLoverde氏は、Appleが東芝を上回って世界市場で販売台数上位5社に食い込むには、今後しばらくはかなりの急成長を続ける必要があるだろうと語った。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ