Ballmer氏は2日、フランスの企業情報科学クラブClub Informatique des Grandes Entreprises Françaises(CIGREF)で講演を行い、「PC、携帯電話、サーバ用のOSがあるように、ネット上で動作する新たなOSも必要だ」と述べ、さらに次のように続けた。「恐らく、『Windows何々』という名称になるだろう。われわれはこれを4週間以内に発表するつもりだ。それまでに商標も取得するかもしれない。今日のところはとりあえずWindows Cloudと呼ぶことにする。Windows Cloudでは、ユーザーは.NETを使い、インターネット上で任意のアプリケーションを実行できる」(Ballmer氏)
Ballmer氏は、今週に入ってからロンドンで行った講演の中で「Windows Cloud」の名前を初めて口にした。Microsoftは、10月の最終週にロサンゼルスで開催されるProfessional Developers Conference(PDC)でWindows Cloud(これが正式名称になるか否かは不明だが)を発表する見込みだ。
Microsoftはすでに、複数のデバイス間でデータを同期化する消費者ベースのサービス「Live Mesh」を発表している。同社は、アプリケーション開発者もMeshベースのアプリケーションを開発でき、それを可能にするツールの詳細をPDCで発表すると約束している。しかし、Windows Cloudは、Live Meshをはるかに凌ぐようだ。
Ballmer氏が語ったところによると、クラウドコンピューティングに移行するには、Microsoftの開発者向けツール全般の変更が必要になるという。Microsoftのウェブサイトに掲載されているBallmer氏のスピーチ原稿によると、同氏は「その1つの例として、.NETをブラウザに組み込むことが挙げられる。われわれはすでに、これをSilverlight技術で行っている」とし、さらに次のように続けている。「しかし、この世界全体がブラウザの中だけで続くとは思わない。PCアプリケーションのユーザーインターフェースはより優れており、それらのさらなる統合も可能だ。ブラウザアプリケーションはWindows以外のOSを搭載しているマシン上でも使用可能で、管理もしやすい。この両方の利点をWindowsに集約するとともに、Silverlight技術を通じて他システムを対象とすることを可能にする必要がある」
またBallmer氏はCIGREFで、PC用Windowsにも言及し、最初に「Windows Vista」について語り、次にその後継の「Windows 7」について簡単に触れた。