Microsoftは、「Windows 7」が搭載されたPCの購入者に対して、ごく限られた条件でのみ、「Windows XP」へのダウングレード権を提供する計画であることが、この件に関するMicrosoftのプランについて語った、あるアナリストの話から判明した。
GartnerのアナリストであるMichael Silver氏によると、Microsoftは、Windows 7の発売後、6カ月の間にPCを購入するユーザーに対してのみ、Windows XPへのダウングレードオプションを提供することになるという。その後は、Microsoftが提唱しているライセンス条項によれば、「Windows 7 Professional」および「Windows 7 Ultimate」の購入者は、「Windows Vista」の対応するエディションにのみ、ダウングレード可能となるようだ。
このプランは、中小企業を中心とする多くのユーザーにとって、問題を引き起こす可能性がある。大半の企業は、あまり金銭面での負担を強いられることなく、Windows 7へと移行する権利を手に入れたいと望んでいるものの、新しいOSのテスト期間には、6カ月以上を要することになるからだ。
Silver氏は「これは重大な問題になってくるだろう」と語り、多くの企業が、まったくVistaを利用しておらず、Windows XPから、(Vistaはスキップして)Windows 7へと移行する計画であることに注意を喚起した。「Windows Vistaをスキップした企業にとっては、まずはWindows XPを用いた後に、Windows 7へと移行する必要性があり、(新規に購入するPCで)Microsoftに余分の金額を支払わねばならなくなることなど望んでいない」と、Silver氏は述べている。
Silver氏は、Windows 7の発売後、6カ月を経過した後も、ボリュームライセンスでの購入企業や、Software Assurance(SA)プランを結んでいる企業であれば、Windows 7が搭載されたPCを購入後に、Windows XPへとダウングレード可能であることを明らかにした。
この件に関して、Microsoftの関係者にコメントを求めたものの、すぐには回答が得られなかった。これまでMicrosoftは、Windows 7で、ダウングレードオプションを提供する計画については語ってきたものの、その詳細までは明らかにしていなかった。
ダウングレード権は、Windows XPにおいても提供されたものの、コンシューマーから、中小企業に至るまで、非常に多くのユーザーが、引き続きWindows XPが動作するPCの購入を希望した、Windows Vistaの発売後から、より広く知られるようになった。
Silver氏は、ずっとWindows XPを使い続ける目的で、新規にWindows 7が搭載されたPCを購入するユーザーなど、それほど多くはないと考えているものの、企業にとっては、移行に6カ月以上の期間を要すると指摘した。
「ダウングレード権の利用へと向かう現象は、Vistaの時よりは、一時的なものになるだろう。Vistaでは、多くの人々が、新規にPCを購入後、まずはXPへとダウングレードしており、その後もVistaにアップグレードすることを、まったく考えもしなかったり、当初はその計画であったのに、後ほどアップグレードする気にならなくなってしまった」と、Silver氏は語っている。
さらに、Silver氏は、6カ月というXPへのダウングレード権の制限が、どのPCで合法的にXPを利用し続けるかの決断を強いられる企業に、管理面での大きな負担をもたらすものになることも指摘している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事をシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。 原文へ