マイクロソフトは7月13日、次期クライアントOS「Windows 7日本語版」向けに、JIS90互換フォントパッケージ(MS明朝&MSゴシックJIS90互換フォントパッケージVersion 1.2b)を提供すると発表した。提供開始日は2009年10月1日。
JIS90互換フォントパッケージは、標準フォント環境として日本語フォントのJIS X 0213:2004文字セット(JIS2004文字セット)を搭載している「Windows Vista」「Windows Server 2008」などのOSにおいて、Windows XPでの標準フォント環境である、JIS X 0208-1990(JIS90文字セット)を提供するもの。Vista以降の標準文字セットの変更により、字形がXPと異なって表示されることで問題があるシチューエション(字形の厳密性を必要とするアプリケーションの利用など)に対応するために提供されている。
Windows 7日本語版の標準フォント環境も、Vistaと同様のJIS2004文字セットをベースにしたものとなるため、マイクロソフトでは同様のニーズに応えるため、かつ将来的なJIS2004への移行をスムーズなものにするため、JIS90互換フォントパッケージの提供を決めたとする。なお、同パッケージが提供されるのはWindows 7が最後となり、今後はJIS2004への完全移行を行うとしている。
JIS2004は、2000年12月の国語審議会答申趣旨に従い、2004年2月に経済産業省より発表された「JIS漢字コード表の改正について」に基づいて改正されたJIS漢字コードの規格。マイクロソフトでは、JIS90を標準とするWindows XP(およびWindows Server 2003)向けには「JIS2004対応フォントパック」を提供。JIS2004を標準とするWindows Vista(およびWindows Server 2008)に対しては、JIS90対応パッケージを提供することで、文字セットの変更による互換性の問題に対応してきている。
マイクロソフト、コマーシャルWindows本部本部長の中川哲氏は、JIS2004を推進する同社の基本方針について「コンピュータシステムがJIS2004に対応することにより、日本の国語施策や法令への整合、将来的なシステム間文字不整合の是正やシステム運用コストの低減につながる」と説明。また、Vistaの発売以降、一部の字形の厳密性が必要なアプリケーションを利用している環境以外では「大きな問題は起こらなかった」との認識を示し、JIS90互換フォントパックの提供をWindows 7までで終了するという決定の妥当性を強調した。