Appleは米国時間9月9日、開発者らが任意のツールを使用して「iOS」アプリケーションを構築することを許可する計画を明らかにした。また同社は「App Store Review Guidelines」を公開する予定である。
この変更により、論争となったAppleのGoogleおよびAdobe Systemsとの関係にも変化が生じるかもしれない。
Appleは「(開発者からの)フィードバックを真摯に受け止めている」と述べ、同社の「iOS Developer Program」ライセンスに対して「2010年に入って設けた制約」を緩和することを決断した。開発者らは今後、「作成したアプリケーションがいかなるコードもダウンロードしない限り」任意の開発ツールを使用してiOSアプリケーションを構築することができる。
Appleは9日朝の声明で、同社の開発者ライセンスにおける変更箇所は、セクション3.3.1、3.3.2、および3.3.9であると具体的に指摘した。変更前のセクション3.3.1には、「アプリケーションは、Appleが規定した方法でDocumented APIのみを使用することができ、Private APIを使用したり呼び出したりしてはならない」と記されていた。また、同セクションでは、すべてのアプリケーションがObjective-C、C、C++、またはJavaScriptでオリジナルに記述されたものでなくてはならないとして、Adobeの「Creative Suite 5」プラットフォームに打撃を与えていた。
セクション3.3.2では、いかなるアプリケーションも「決して他の実行可能コードを起動してはならず、これにはプラグインアーキテクチャの使用、他のフレームワークまたは他のAPIの呼び出しなどが含まれるが、その限りではない」としていた。
セクション3.3.9では、「ユーザーの事前の同意なく、任意のユーザーデータまたはデバイスデータを収集、使用、第三者に開示する」アプリケーションの機能を制限することにより、Googleの「AdMob」に圧力を加えていた。広告主は、「収集、使用、開示の目的が自分のアプリケーションに広告を掲載することである場合に限り」ユーザーデータを共有してもよいとされていた。
さらにAppleは同日、「提出されたアプリケーションに対するわれわれの審査方法を開発者らが理解できるよう」にApp Store Review Guidelinesを公開する計画であると述べた。Appleは、同社の「透明性を高める」ことを目的として、ガイドラインを公開すると述べた。
Appleが審査ガイドラインを公開するという決定は、長い間望まれてきたものである。同社は何年もの間、あるアプリケーションは承認し、別のアプリケーションはApp Storeに許可しないということを、開発者らが言うところの十分な説明をすることもなく、行ってきた。現在にいたるまで、Appleはこの体制を固持してきた。
2010年に入り、Appleは「iOS 4 SDK」をアップデートし、開発者がAdobe Creative Suite 5などのツールを使用してアプリケーションを「iPhone」にポーティングすることを禁止する条項を加えた。今後は、コードをダウンロードしない限り、これらのツールを使用することができる。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。