Microsoftが「Windows AntiSpyware」に大幅な改良を加えている。
同ツールは隠れて動作するソフトウェアからPCを保護するためのもので、「Windows Defender」と改称された。外観も刷新され、rootkitやキーロガーなどの脅威を検知する機能が新たに盛り込まれている。改良に関するこのニュースは米国時間4日、悪質なソフトウェアをテーマとしたMicrosoftの新しいブログに掲載された。
アップデートが施された同アプリケーションは、「Windows XP」オペレーティングシステム(OS)の後継種で2006年末にリリース予定の「Windows Vista」に含まれることになる。
Windows Defenderは、XPユーザーに対しても提供されるという。同社はこれを現行のWindows AntiSpywareのアップデートとして発表する意向だ。Windows AntiSpywareのベータ版は2005年1月から利用可能になっている。
こうした変更は、以前から予期されていた。Microsoftは10月に、Windows Vistaの出荷前に同ツールを大きく変更すると述べている。検知および削除機能の拡充も予定されていたことだ。
Windows Defenderは、スパイウェアからPCを守るためのものである。スパイウェアは、システムにインストールされ、ユーザーが知らない間にその行動を探るソフトウェアだ。今回、Windows Defenderには対rootkit防御機能が追加されたので、rootkitを検知/削除できるようになった。rootkitは、ハッカーが用いるツールで、セキュリティソフトウェアでは発見できないように設計されている。同ツールは、最初の攻撃を加えたあとコンピュータを制御不能にするために使われる。
Microsoftは、同スパイウェア対策アプリケーションのシグネチャアップデートの配信方法も変更している。シグネチャは悪質なソフトウェアを特定するために使われるもので、以前は同プログラム独自の個別ツールを用いてアップデートを行っていたが、今ではWindows Update経由でこれが可能になった。
もっとも、Windows Defenderは完成には至っていない。Microsoftの関係者は米国時間7日、Vistaの試用ユーザーが同ツールの新版を実際に利用する初めてのユーザーとなるだろうと話した。同関係者はまた、「Windows Defenderを次のWindows Vista Community Technology Preview(開発者用技術プレビュー版)に搭載することを考えている」とした。同プレビューは、2005年末までにリリースされる。
Windows DefenderがWindows XPでいつ利用可能になるのかは、まだわかっていない。Windows AntiSpywareの第2ベータ版は、2005年末までに発表されることになっていた。これがWindows XP向けの初のWindows Defenderとなると考えられるが、発表時期はずれ込む可能性があると、Microsoftの関係者は述べている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ