Googleは、オープンソースの携帯電話向けOS「Android」の次期版に搭載が予定されている、動画サポートやブラウザの高速化など、複数の新機能へのアクセスを開発者に提供する「Android 1.5」ソフトウェア開発キット(SDK)をリリースした。
Googleは、携帯電話上で、よりスマートにインターネットを多用する環境を立ち上げるべく、Androidプロジェクトを始動させたと述べてきた。携帯電話向け検索広告は、Googleにとって、潜在的な売り上げの増加につながる新分野であり、「Gmail」などのオンラインサービス利用を、モバイル分野にも広げていきたいと願っている。
「Cupcake」の開発コード名が付されたAndroid 1.5で、ユーザーが目にすることになる変更点は、以下のようなものである。
- 動画の録画再生機能や、YouTubeへの動画アップロード機能の追加
- より高性能なBluetoothヘッドセットをサポートする、ステレオBluetoothや自動ペアリングへの対応
- 高速なJavaScript実行を特長とする「Squirrelfish」テクノロジが採用された、最新の「WebKit」テクノロジを搭載するウェブブラウザの実装(このブラウザには、コピー&ペーストのサポート、ページ内検索、Googleの「Chrome」ブラウザから採用された検索バーとアドレスバーの統合、高速スクロール表示などの新機能が含まれている)
- GPSシステムでの、「さらに高速化された」位置情報の取得性能
- スクリーン上に表示されるソフトウェアキーボードの搭載
- ホームスクリーン上に表示される。現在の検索や時計などのウィジェットに加え、新たな音楽プレーヤーやフォトフレームなどのウィジェットの追加
- 携帯電話の加速度センサで本体の向きを測定し、アプリケーションの表示方向を自動的に回転させる新機能
- SMS、Gmail、カレンダー、ブラウザや、他のアプリケーションでのユーザーインターフェースの改善(Gmailアプリケーションでは、バッチ処理のサポートが追加され、複数メッセージの同時削除や保存なども可能になった)
- カメラの起動時間や動作速度の向上(撮影写真は、Googleの「Picasa」にアップロードできる)
- 連絡先アプリケーションでのユーザー写真の利用をサポート
また、システム内部にも変更が加えられており、新たに2.6.27バージョンのLinuxカーネルが採用されている。プログラムの記述および実行に、さまざまなJavaテクノロジが採用されるなど、より高度なAndroidアプリケーション環境が整い、ここでも、数多くの変更点がある。開発者は、多くの携帯電話機能をスムーズにサポートする、新たなAPIに触れることができ、以下のような新機能が明らかにされている。
- オーディオおよびビデオの録音再生向けAPI
- 「OpenGL」グラフィックステクノロジへのサポート向上
- 高速入力を補助するテキスト変換予測エンジン
- 音声認識をサポートするフレームワーク
- 実行中のアプリケーションのインターフェースプロセスと連動する、よりスムーズなバックグラウンドプロセスのフレームワーク
しかしながら、Googleは、こうしたAPIが最終的に定まったものではなく、4月末にかけて、正式なSDKリリース前に変更が加わる可能性もあることを示唆している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ