より多くの学生に自社の開発ツールを使用してもらうことを望んでいるMicrosoftは、それを実現するビジネスモデルを考案した。
それが同社製ソフトウェアの無償提供だ。
10カ国の大学生は今週から、「DreamSpark」という取り組みの一環として、Microsoftの「Visual Studio」など複数のプログラムを無料で使用することができるようになる。Microsoftでは2009年にかけて、全世界の大学生と高校生を対象に同プログラムを提供していく計画だ。
Visual Studioツールに加え、Microsoftではさらに、デザインツール「Expression Web」およびXbox 360用ソフトウェアの開発環境「XNA Studio」も無償で提供する。Microsoftは、既に自社製ソフトウェアのアカデミック版を割引価格で提供しているほか、Visual Studioの「Express Edition」を無償提供している。学生たちはまた、「Windows Server」およびデータベース「SQL Server」のデベロッパ版を無料で入手することができる。
Microsoftのアカデミックイニシアチブでシニアディレクターを務めるJoe Wilson氏は、「これを活用してソフトウェアアプリケーションを構築することができる」と語る。「ウェブサイトも構築できる。最高にクールな『Facebook』アプリケーションを開発することも可能だ(中略)わずか数点の製品の中に大きな可能性がある」(Wilson氏)
対象となる最初の10カ国には米国、英国、中国、フランス、ドイツなどが含まれる。
Microsoftにいくつかの狙いがあるのは明らかだ。1つは、より多くの設計または科学において十分な素養を持つ学生たちがソフトウェアの分野に携わるようになること、もう1つは彼らに早い段階から同社のツールを使用してもらうことだ。
「当社のような業界のリーダーには、次の世代、そしてさらに未来の技術者の存在が不可欠だ」とWilson氏は述べる。同氏は、今から5年後にMicrosoftのツールを無償で使用した学生の手による企業の誕生を見届けることを自身の目標だと述べた。
「実現することを期待している。その数は数百、数千に上るかもしれない」(Wilson氏)
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ