Microsoftは米国時間2月27日、「Technology Entertainment and Design(TED)」カンファレンスの参加者らに対して、同社の新しい仮想望遠鏡を使った、本物の天体のクローズアップを披露した。
Microsoftは、長く待たれてきた「WorldWide Telescope」というソフトウェアを、カリフォルニア州モントレーで4日間にわたって開催されるTEDカンファレンスの初日である27日に、現地で独占的に公開した。この天文学技術のデモで、聴衆の誰かがMicrosoftの元エバンジェリストであるRobert Scoble氏のように涙したかどうかは不明であるが、その画像は確かに素晴らしいものだ。
WorldWide TelescopeはGoogle Earthのsky機能と似ているものの、より発展的なものであり、ハッブル宇宙望遠鏡や、行方不明になっているMicrosoftの研究者Jim Gray氏が協力したプロジェクト「Sloan Digital Sky Survey」などの膨大な量のデジタル画像を表示する宇宙のバーチャルマップである(Microsoftは27日、WorldWide TelescopeをGray氏に捧げた)。このテクノロジはデスクトップ上で夜空を縦横無尽に見て回ったり、好きなところでズームインしたり、北斗七星や火星、ビッグバン以降に生まれた最初の星雲に焦点を合わせたりすることができる。また、見ているものに関連するデータやストーリー、コンテキストをオンラインで呼び出すこともできる。
Microsoftの主任研究者であるCurtis Wong氏とともにこの望遠鏡のデモを行ったハーバード大学の天体物理学者Roy Gould氏は、このテクノロジは研究にとっても人類にとっても将来有望だと述べている。
Harvard Center for AstrophysicsのGould氏は同カンファレンスにおいて「WorldWide Telescopeは、地球上と宇宙空間に存在する最も素晴らしい望遠鏡で撮影された最高の画像を継ぎ目のないように組み合わせて、宇宙全体の画像を作り出しているのだ」と述べた。
「この新しいリソースは、われわれの天文学に対するアプローチや、天文学を教えるアプローチを変えることになるだろう。そして最も重要なこととして、宇宙におけるわれわれ自身に対する見方を変えることになるだろう」(Gould氏)
また、Microsoftは27日、この望遠鏡プロジェクトのプロモーションサイトを公開したが、無償で提供されるこのテクノロジは2008年春まで利用することができない。同サイトでは、複数の学者がこの望遠鏡について、涙を流すことなく語っている様子がビデオで公開されている。感動を表す発言としていくつか例を挙げると、「これは、あなた自身が旅することのできる宇宙だ」や「これは魔法のじゅうたんだ」、「これは、科学と科学教育の未来を垣間見せてくれている」というものがある。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ