IBM、「Lotus Symphony」でウィジェットをサポート

文:Tom Espiner(ZDNet UK) 翻訳校正:編集部

2009-09-14 12:40

 IBMは米国時間9月11日、同社のオフィススイート「Lotus Symphony」の新バージョンを発表した。Microsoftとの「熾烈な競争」の一環として、「Microsoft Office」のユーザーをターゲットとした機能が追加されていると同社は述べている。同時に同社は、社内でのMicrosoft Officeの使用を可能な限り廃止していくと述べた。

 IBMは声明で、「ユーザーは、ウィジェットを直接Lotus Symphonyへと容易にドラッグアンドドロップすることができ、それにより同製品は、『Microsoft Word』のような静的なオフィス生産性ツールとは一線を画するものとなっている」と述べた。「このドラッグアンドドロップの機能により、Symphonyでは、たった1回のクリックでウィジェットを簡単に使用およびインストールすることができ、他のMicrosoft Office代替製品よりも優れたものとなっている」(IBMの声明)

 ウィジェットとは、基盤にあるコンピューティングプラットフォームと相互に作用するために組み合わせて使用することのできる軽量アプリケーションである。Symphonyは現在、ウィジェットを介して「Google Gadgets」「Lotus Sametime」「Lotus Quickr」「Lotus Connections」「Microsoft SharePoint」「MSN」と統合する。

 IBMのメッセージングおよびコラボレーション担当バイスプレジデントを務めるKevin Cavanaugh氏は11日、ZDNet UKに対し、新しいIBMのウィジェットには、チームが協調してIBMおよびMicrosoftのドキュメントを作成することのできる「Team Marketplace」ウィジェット、チャート共有ウィジェット、SymphonyからWikiへの変換ウィジェットがあると述べた。

 Cavanaugh氏は、「われわれはMicrosoftと熾烈な競争関係にあり、Microsoftはわれわれの事業のどの部分でも奪おうとしている」と述べた。「人々はこれまで、オフィスツールには選択肢がないと感じていた。われわれは(Microsoftに対する)代替製品を提供するつもりだ」(Cavanaugh氏)

 IBMのLotusソフトウェア担当ゼネラルマネージャーであるBob Picciano氏は声明で、「現在では、Symphonyのような、Microsoft Officeよりも優れた、より革新的でオープンな代替製品が存在する。Microsoft Officeへの投資に懸念を感じる企業がますます増えている中、Symphonyのオープン協調型モデルは、企業に無限の可能性を、コスト効率よく提供することができる」と述べた。

 IBMの広報担当者によると、技術的な大企業である同社のMicrosoftに対する競争は、Lotusの機能拡張にとどまらないという。IBMは11日、「Symphonyへの移行を促すことにより」社内におけるMicrosoft Officeの使用を徐々に廃止していこうとしていると述べた。ただしMicrosoft Officeを使用しなければならない従業員は、引き続きそれを使用することができると、同広報担当者は付け加えた。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。 原文へ

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