人気の高い「Ubuntu Linux」ディストリビューションの商用スポンサーであるCanonicalは米国時間2月7日から、ソフトウェアのインストールを簡易化するための措置として、Ubuntuユーザーに対して商用アプリケーションをデスクトップから直接入手できるようにする予定である。
Canonicalは「Ubuntu Partner Repository」と呼ばれる機能を使用して、ユーザーがUbuntuの内蔵アップデートツールを通じて「Parallels Workstation for Linux」を利用できるようにする。Parallel Workstationは1台のシステム上で「Windows」と「Linux」を同時に利用できるようにするソフトウェアである。
この取引は、Canonicalがリポジトリを通じて商用ソフトウェアを配布する最初の試みであり、これまではフリーソフトウェアとオープンソースソフトウェアのみを配布してきた。Linuxディストリビューションはもともと多種多様なため、Ubuntuが想定しているような経験の浅いデスクトップユーザーにとっては、ソフトウェアのインストールが大きな障害になることがある。
フリーソフトウェアやオープンソースソフトウェアは、特定のディストリビューション向けにカスタマイズし、LinspireのCNR.comなどのオンラインリポジトリから自動でインストールするように設定できるが、商用ソフトウェアは対象外になっているケースが多い。
例えば、かつてはParallels Workstationをインストールするには、ユーザーはコマンドラインベースのインストールプロセスをたどる必要があった。一方、新しい方法ではインストール作業はリストからソフトウェアを選択するだけで良く、時間も1分かからないとCanonicalでは述べている。
「Parallels Workstationはこのような方法でインストールできるようにした最初のソフトウェアであり、そのためやや奇妙に思われるかもしれない」とCanonicalの広報担当者はCNET News.comの姉妹サイトであるZDNet UKに語った。「しかし、当社ではまもなくさらに多くの商用ソフトウェアをこのリポジトリからインストールできるようにする予定であり、Ubuntuで動作する商用ソフトウェアを希望するユーザーがストア経由で購入できるオプションも用意する」(同広報担当者)
Ubuntu Partner Repositoryからインストールできるソフトウェアはトライアル版であるとCanonicalの広報担当者は述べている。ユーザーはオンラインのCanonical Storeからパーマネントキーを購入できる。
この取引ではまた、Parallelsが最も広く使用されているデスクトップLinuxディストリビューションであるUbuntuのユーザーに直接アクセスできるようになる。
Parallels(旧SWsoft)はIntelベースの「Mac」でWindows、Linux、Mac OS Xを平行して使用できるようにする「Parallels Desktop for Mac」で最初に広く知られるようになった。同社は最近、この最も著名な製品にちなんで社名を変更した。
OpenVZとUbuntuの開発者らは1月、システム管理者がある分野に特化したUbuntuシステムを約1分で配備できるようにするためのビルド済みのUbuntu仮想マシンをリリースした。
OpenVZはParallelsが資金を提供しているオープンソースプロジェクトであり、商用仮想化ソフトウェア「Virtuozzo」の技術的な基盤となっている。ParallelsとCanonicalはUbuntu 7.10をベースとした仮想化テンプレートで協力した。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ