Red Hatは、企業サーバ向けとデスクトップ向けという製品構成から成るRed Hat Enterprise Linux(RHEL)5.2ファミリのベータをリリースした。仮想化機能とクラスタリング機能が改善され、サーバファーム向けプラットフォームとしての安定性が向上している。
RHEL 5.2では仮想化の核となるオープンソースのハイパーバイザXenがバージョン3.1.2にアップグレードされた。またシステム当たりの最大プロセッサ数は64基に、サーバ当たりの最大メモリ容量は512Gバイトに拡大。また、NUMA(non-uniform memory access)インターフェースも改善された。
これまで同社はライバルのNovellから、両社がともに支援してきたXenの実装が遅いと批判されてきたが、2007年11月の仮想化機能に関する発表を振り返ると、Fedoraオペレーティングシステムで採用されているもう1つの仮想化技術「Kernel Virtual Machine」(KVM)への移行を視野に入れていることは明らかだ。
クラスタリング機能については、アプリケーションのフェイルオーバー機能が改善されている。IPv6のサポートもDHCP 6への対応で強化され、LANやWANのサポートが改善された。
デスクトップアプリケーションでは、Firefox、Evolution、OpenOffice、Thunderbirdなど、主なオープンソースアプリケーションがすべて最新版に一新された。ノートパソコンで使われるサスペンドやグラフィックドライバも改善されている。eWeekのSteven Vaughn-Nichols氏によると、Microsoft独自のメディア形式をサポートするなどとした同社のデスクトップ計画は「行き詰まりを見せており、Red Hatはデスクトップアプリケーションを『根本的に』組み直そうとしている」という。
今回のRHELベータには、通常版のほかに、AMD、Intel 64、Itanium、IBMのS/390メインフレーム、System p、System zプラットフォーム向けのAdvanced Platform版もある。Desktop版はx86、AMD64、Intel 64向け。同社のサイトに詳細な説明がある。
同社は、ベータ版は自由にダウンロードできるがテストシステム用であり、実運用システムでの使用には適さないと警告している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ