アップル、ウェブアプリに向けオープンな「SproutCore」技術を採用か?

文:Tom Krazit(CNET News.com) 翻訳校正:緒方亮、小林理子

2008-06-17 12:28

 Adobe Systemsの「Flash」技術を回避する方法として、Appleはオープンソースのソリューションを考えていると言えるかもしれない。

 RoughlyDrafted Magazineは、米国時間6月9日〜13日に開催された「Worldwide Developers Conference(WWDC)2008」のセッションについて話してもいいという開発者を見つけることができた。機密とされてはいるが、この手の話はどうしても露見してしまうものだ。13日のセッションの1つは「SproutCore」と呼ばれる技術に関するものだったらしい。これによってAppleの開発フレームワーク「Cocoa」が、ウェブ開発者たちの心をとらえられるようになるかもしれない。

 現在ウェブアプリの存在は大きくなっており、開発者は作るアプリケーションの性能と魅力を改善する方法をたえず探している。となればたいていの場合、開発者はAdobeのFlash技術やMicrosoftの「Silverlight」技術を使って、時間を節約するとともに派手なグラフィックスを活用することになる。しかし、こうした規格の1つを使ってウェブアプリを開発することを選ぶと、その特定の規格のためのブラウザ用プラグインに制約されざるを得なくなる。

 SproutCoreは、プラグイン内ではなくブラウザ内でウェブアプリを実行させることで、そうした制約を回避する。AppleはこのSproutCoreを利用して、新サービス「MobileMe」の一部としてWWDCで発表されたウェブアプリを制作したようだ。MobileMeは古くなりつつある「.Mac」サービスに置き換わることになっている。

 SproutCoreがどのようにウェブ開発者の役に立つのかについて、詳細はRoughlyDrafted MagazineやAppleinsiderの同様の記事を確認してほしい。ウェブ開発のコースをいくつか受けたことがある程度の知識がないことには、この話題を適切に評することはできない。

 ただ基本概念としては、Appleと同社のソフトウェア開発パートナーが、iPhoneやMacの「Safari」向けによりリッチで「デスクトップアプリに似た」ウェブアプリを、AdobeやMicrosoftのプラグインのライセンスを受けることなく作れるようになるというものだろう。加えて、Windowsマシンの開発者がMacのアプリケーションのようなウェブアプリを作ることも可能になるかもしれない。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    「デジタル・フォレンジック」から始まるセキュリティ災禍論--活用したいIT業界の防災マニュアル

  2. 運用管理

    「無線LANがつながらない」という問い合わせにAIで対応、トラブル解決の切り札とは

  3. 運用管理

    Oracle DatabaseのAzure移行時におけるポイント、移行前に確認しておきたい障害対策

  4. 運用管理

    Google Chrome ブラウザ がセキュリティを強化、ゼロトラスト移行で高まるブラウザの重要性

  5. ビジネスアプリケーション

    技術進化でさらに発展するデータサイエンス/アナリティクス、最新の6大トレンドを解説

ZDNET Japan クイックポール

注目している大規模言語モデル(LLM)を教えてください

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]