財団法人 聖路加国際病院の医療情報センターが、データの抽出・検索時間を大幅に削減するデータウェアハウス(DWH)システムの構築に成功した。DWHに最適化されたサイベースのデータベース「Sybase IQ」を採用したことで、“劇的”なパフォーマンスの向上を実現したという。
“劇的”といったのには理由がある。医療情報センターでは、医師などから依頼を受けてデータの抽出・加工に対応しているが、従来利用していたRDBMSでは、データの抽出から加工までに最大14日間もかかったことがあるという。しかし、今は違う。従来30分はかかっていたデータ抽出が、1分以下で完了するようになったのだ。
また、効果をあげたのは、データ抽出・加工だけではない。従来のシステムでは、伝票件数が約1億400万件、加えてそれらに個別の明細がつき、約3億7000万件という膨大なデータを対象としていた。しかし、新システムではSybase IQの圧縮機能によって、データ容量を意識することなくDWH上に格納することが可能になった。
データ抽出速度の“劇的”な向上と、データ圧縮機能による格納効率の改善――医療機関では、10年、20年という単位で情報を取り扱う。医療情報センターでは、スピードとデータ容量のパフォーマンス向上が、長期間の使用に耐えられるという安心感にもつながったとしている。