Windowsアプリケーションには、Linux上でネイティブに動作するようになれば、Linuxユーザーの数を確実に増やせるものがいくつかある。本記事では、Linuxのユーザー数を一気に増加させる可能性を秘めた、Linuxに移植されるべきWindowsアプリケーションを10個紹介する。
筆者は電子メールや電話、インスタントメッセージ、Facebookのメッセージなどで、ある特定のWindowsアプリケーションがLinuxに移植される可能性、あるいはその時期について数え切れないほどの問い合わせを受けている。また、「Linuxに××が移植されたら、Linuxを使うつもりなのに!」という声も数多く耳にしている。そこで本記事では、こういった希望の声をまとめ、Linuxに移植されるべきWindowsアプリケーションを10個選び、紹介することにした。その中のいくつかは移植される可能性もある。しかしその一方で、移植される可能性がないものもある(移植されない理由としてはさまざまなものが考えられる)。「移植されていない」ということを理由にLinuxの採用に二の足を踏んでいる人々が数多くいる現状を考えると、とても残念である。
Linuxの熱心なユーザーであれば、WineやCrossOver Linuxを使うことで、お気に入りのWindowsアプリケーションをLinux上で実行できるようになると教えてくれるはずだ。しかし、まったく新たなOSに慣れようとしている初心者ユーザーにとって、これはソリューションとは言えないだろう。こういったWindowsアプリケーションは、Linux上でネイティブに動作するよう移植されるべきなのである。このような移植が行われた暁には、Linuxのユーザー数は一気に増加するはずだ。
Adobe Photoshopは、画像編集ソフトウェアのデファクトスタンダードとしての地位を獲得している。また、ユーザーがLinuxへの移植を最も望んでいるアプリケーションでもある。Linux向けの画像編集ソフトウェアは他にもたくさんある(その中には素晴らしいものもある)ものの、Adobe Photoshopの性能の高さや機能の多さに匹敵するものは存在していない。2000年の早い時期には、Adobe Systemsの経営者はオープンソース運動をサポートする気がないようであった。しかしその数年後には、同社の開発者らにより、フォントや色管理、印刷といった分野における標準化を重視しているとの見解が主張されている。実際にこういった分野での標準化(FreeTypeやOpenIcc、CUPS)が進んでいるため、移植されない理由はどんどんなくなってきていると言える。
Quickenも、数多くの類似製品があるにもかかわらず、人々に愛用されているアプリケーションである。Quickenは、家庭や小規模企業における財務ニーズを満足する製品となっている。そして、オープンソースの類似製品の多くでは対応できていない機能、例えばTurboTaxといった税務アプリケーションとのシームレスな統合を実現する機能も搭載している。QuickenはWine上で正常に動作しないという点を考えた場合、移植というのが唯一の選択肢になるだろう(もちろん、仮想マシン上では実行できるが、そういった選択肢は本記事では考慮の対象外としている)。
AutoCADもまた、Linux上で稼働する類似製品が数多くあるにもかかわらず、プロフェッショナルの本格的なニーズを完全に満足できるものが他にないというプロプライエタリなWindowsアプリケーションである。Linux向けの素晴らしいCADソフトは存在しているものの(例えばSiemensのNXなど)、ほとんどのユーザーにとって、AutoCADはCADソフトの代名詞となっている。このため、AutoCADが移植されない限り、CADソフトを使用するプロのデザイナーたちはLinuxに移行しようとは思わないだろう。初期のAutoCADは、*NIX上でも動作していたことを考えると、これは皮肉な話である。
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