クラウドコンピューティングは、最近のIT業界でもっとも注目を集めている話題の1つであり、Microsoft、Google、Amazonや、その他の大手企業もこの大乱闘に加わっている。しかし、このテクノロジによって、混乱を招きかねない新しい用語も生まれている。この記事では、クラウドコンピューティング関連の一般的な用語とその意味をいくつか説明する。
Advertising-based pricing model(広告に基づく価格決定モデル)
サービスプロバイダーがサービスと一緒に広告も提供することにより、広告主から得た収入によって、低価格あるいは無料で顧客に提供されるサービスの価格決定モデル。
Amazon EC2
AmazonのElastic Compute Cloud Webサービスのこと。このサービスは、クラウドの計算資源を、使用できる資源の量を変えることのできる形で提供しており、開発者はアプリケーションの構築において大きな拡張性を得ることができる。
Amazon S3
Amazon Simple Storage Servicesのこと。Amazonが提供するクラウドストレージサービス。
CDN
コンテンツ配信ネットワークのこと。データのコピーを持つ複数のコンピュータからなるシステムで、それらのデータはネットワーク上の異なる場所に配置されており、クライアントは自分にもっとも近いコピーにアクセスできるようになっている。
Cloud(クラウド)
世界的なネットワークを指す比喩表現。もともとは電話網を指すために使われた言葉だが、今ではインターネットを指すものとして使われている。
Cloud broker(クラウドブローカー)
複数のクラウドサービスプロバイダーと関係を結び、その関係を維持する主体。クラウドブローカーは、クラウドサービスの顧客とクラウドサービスプロバイダーの間をつなぐ役割として振る舞い、それぞれの顧客に最適なプロバイダーを選び、サービスを監視する。
Cloud operating system(クラウドOS)
プロバイダーのデータセンタで実行され、インターネットやほかのネットワーク越しにユーザーに提供されるように設計されたコンピュータオペレーティングシステム。Windows Azureや、Windows Server 2008上で動く「クラウドレイヤ」はクラウドOSの例だ。この用語は、GoogleのChrome OSなどの、クラウドベースのクライアント用OSを指すのに使われる場合もある。
Cloud Oriented Architecture(クラウド指向アーキテクチャ)
クラウドの中でアプリケーションがサービスとして振る舞い、クラウド環境のほかのアプリケーションにサービスを提供するアーキテクチャを指す、Amazon Web ServicesのJeff Barr氏が作った用語。
Cloud portability(クラウドポータビリティ)
あるクラウドプロバイダーから、ほかのプロバイダーにアプリケーションやデータを移すことのできる能力。Vender lock-in(ベンダーロックイン)の項も参照すること。
Cloud provider(クラウドプロバイダー)
クラウドベースのプラットフォーム、インフラ、アプリケーション、ストレージサービスを、ほかの組織や個人に提供する企業。通常は料金が発生する。
Cloud storage(クラウドストレージ)
顧客が、第三者によって維持されている遠隔にあるストレージシステムに、インターネットやほかのネットワーク越しにデータを転送し、保存することを可能にするサービス。
Cloudsourcing(クラウドソーシング)
従来のITサービスを、クラウドサービスで置き換えること。
Cloudstorming(クラウドストーミング)
複数のクラウドコンピューティング環境に接続すること。
Cloudware(クラウドウェア)
クラウド内のアプリケーションの作成、配置、実行、管理を可能にするソフトウェアのこと。
Cluster(クラスタ)
1つのコンピュータであるかのように協調して動作する、互いにリンクしているコンピュータ群。高い可用性や負荷分散の提供を目的とする。