見せたくない「PowerPoint」スライドが間違って人の目に触れてしまったら、あなたならどんな気持ちだろうか。同じような経験をしたのが、Microsoftの最高経営責任者(CEO)、Steve Ballmer氏だ。Ballmer氏は米国時間7月30日、金融アナリストを集めてアナリスト向けのカンファレンス「Financial Analyst Meeting(FAM)」を開催中、公開するつもりのない情報が入ったスライドをうっかりダウンロードサイトに掲載してしまったようだ。
Ballmer氏はFAMのプレゼンテーションで、「Yahoo Deal Overview(Yahooとの提携の概要)」というタイトルの付いたそのスライドを見せることはなかった。しかし、Seattle Timesの記者、Brier Dudley氏がこれを目ざとく見つけていた。
このスライドによると、MicrosoftはYahooとの提携の最初の2年で、3億ドルの損失を見込んでおり、その後、一定水準のリターンを得る(「4億ドルの定常状態」と説明している)としている。
スライドの「context -- not for disclosure(状況ーー非公開)」の部分には、Microsoftが負う特定コストに関する詳細情報がある。このカラムの横には、同社が公式に認める省略・整理した(特定ではない)情報が並んでいる。
「Transition costs(取引のコスト)」とするアイテムには、以下が含まれている。
- リテンションコスト(取引が完了する前と後のコスト):9000万ドル
- 検索広告の研究開発:1億7000万ドル
- GFS(Global Foundation Services)/COG(売上原価):1億4500万ドル
- Sign-on:1億5000万ドル
- Algo(アルゴリズム)研究開発:7000万ドル
- 広告主マイグレーション:5000万ドル
Ballmer氏とオンラインサービス担当社長のQi Lu氏の両氏は、7月30日のカンファレンスで、MicrosoftとYahooの検索における提携は両社にとってWin-Winであることを強調した。Ballmer氏は1時間半を費やしてYahooとの提携について説明したものの、「誰も理解していないようだ」と口にした。
Microsoftの幹部は、Yahooとの提携のコスト(長期的・短期的)について、意図的にあいまいにしている。だがBallmer氏はFAMでのスピーチ中、短期的には大きな収益を上げるとは予想しておらず、取引コストの「数億ドル」を自社が吸収すると思っておいてよいと述べた。Ballmer氏はまた、この取引はYahooにとってすばらしいもので、--市場が興奮しているとはいえない事実にも関わらず--この取引はMicrosoftの新しいパートナーにとって収益を70%拡大させるだろうと述べた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事をシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。 原文へ