IT技術者は対人スキルを向上させる必要があるということを誰もが口にするものの、こういったスキルが実際にどのようなものであるかについては誰も教えてくれない。そこで本記事では、IT技術者が身に付けておくべき重要な7つのコミュニケーションスキルを挙げ、そういったスキルを向上させる方法について解説している。
IT技術者であれば、その分野で仕事をしていくうえでコミュニケーション技術を学ぶ必要がある、というアドバイスをあなたもそこかしこで耳にしているはずである。とは言うものの、そういったアドバイスを口にする人の多くは、コミュニケーションという言葉の意味が持つ重要性や、そういった技術をどのようにして身に付けていくかということについて明確に述べてはくれないのである。
そこで本記事では、コミュニケーションをさまざまな側面から捉えている素晴らしい書籍を紹介することにしよう。「Leading IT Transformation: The Roadmap for Success」(ITの変革を導く:成功のためのロードマップ)という題名のこの書籍では、コミュニケーションのことを「対人スキル」(human interaction skills)と呼んでいる。私はこの用語について、学ぼうとしている人がそもそも人間ではないような印象を与えるものであるため、あまり快く思っていない。しかし、この書籍で挙げられているポイントは有益なものである。
以下に、IT部門のリーダーやIT要員が身に付けておくべき、あるいは向上させるべき重要なコミュニケーションスキルを挙げる。
コミニュケーション相手のプロファイリングを行う
上記の書籍では、IT部門がこれまでに築いてきたエンドユーザーとの関係について知っておくことの重要性が強調されている。エンドユーザーは新たなイニシアチブに前向きな姿勢を見せることもあれば、過去における苦い経験によって警戒心を抱いていることもある。あなたのコミュニケーション相手が抱いている期待によって、あなたが直面する状況に影響が与えられるのである。
良い聞き手になる
上記の書籍には、この話題について書かれた優れた一文がある:それは「誤った前提を置くことで、どのような聞き手であっても致命的な痛手を被る」というものだ。私はさらにその先を行き、誤った前提を置くことで、話し手も致命的な痛手を被ることになると主張したい。平均的な会話において、意味が誤解されるような落とし穴がどれだけ多いか考えたことがあるだろうか?ちょっとした単語ひとつで、文の意味がまったく違ったものになってしまうこともあるのだ。例えば「稼働」という単語で見てみることにしよう。顧客が2週間後にシステムを稼働させてほしいと言ってきた場合、その顧客は、システムを完成させ、テストを終えた後、最も忙しい時間帯での運用に耐えられるだけのものを要求しているのだろうか?それとも、多少のバグがあっても当面は構わないから、とにかく本番稼働させたいと考えているのだろうか?こういったことを明確にしなければ、顧客に不満を感じさせることになるおそれがあるのだ。