Mac OS Xにはユーザーフレンドリーという謳い文句があるが、Linuxに及んでいない部分がまだまだ数多くある。柔軟性からポータビリティ、さらにはコストにいたるまでのあらゆる点において、Linuxが優れているという私の主張を読んでもらいたい。
Mac OS XがLinuxの親戚筋にあたるBSD系UNIXに基づいているという点、そして利用可能なOSの中で最もユーザーフレンドリーなものであると認識されているという点に着目した場合、みんなが好んでいるこのOSよりもLinuxの方が多くのことをずっと上手にこなせるという主張は、奇妙なものに思えるかもしれない。しかし、まずは本記事を読み進めてみてほしい。ひょっとしたらあなたの考えも変わるかもしれないのだ。
#1:柔軟性
Mac OS Xを使ったことがあるのであれば、ユーザーフレンドリーであることは認めるものの、柔軟性はさほどないということが判っているはずだ。この観点から見た場合、Mac OS XはWindowsと大差ないのだ。あらかじめ想定されていることはできるようになっているが、そういったことがさほど多くあるわけではない。デスクトップのレイアウトが気に入らない場合、Dockを画面上のいずれかの端に動かしたり、そのサイズを変更したり、自動的に隠すことはできる。また、サードパーティーのアプリケーションやデスクトップのテーマを追加することもできる。しかしそれ以外のことは、何もできないのだ。例えば、デスクトップ上にDockだけを表示させたい(タスクバーとしての機能はデスクトップに統合しておきたい)と思ったとしよう。しかし、こういったことを実現することはできない。Windows 95における死のブルースクリーンが同OSと切っても切れない関係にあるのと同様に、タスクバーはMac OS Xとは切っても切れない関係にあるのだ。ところがLinuxの場合、話は違ってくる。タスクバーを表示させずに、その機能だけを使いたいんだって?何の問題もない。タスクバーやパネルには、どのような機能でも追加することができる。つまり、Linuxはあなたが考えるどのような設定でも受け入れてくれるのだ。それでも気に入らないというのであれば、他のデスクトップやウィンドウマネージャを選択するということもできるのだ。
#2:オープンソース
LinuxユーザーがMac OS Xを前にして感じる最大の問題の1つにライセンスがある。Appleは、BSDカーネルを使用して自らのDarwinカーネルを作り出し、Apple Public Source License(これはFree Software Foundationによって承認されている)の下にリリースしている。そして、こういったプロプライエタリなソフトウェアのレイヤの上にMac OS Xを構築しているのだ。Appleは過去に、オープンソースコミュニティと共同でOpenDarwinも開発していた。しかし、オープンソースのDarwinをベースにしたこのOS開発が遅々として進まなかったため、Appleは4年後にプロジェクトを中止したのだ。その後2007年になって、OpenDarwinで開発された成果物を継承したかたちでPureDarwinというプロジェクトが開始された。PureDarwinプロジェクトは数々の苦難を乗り越え、その上でLinuxベースのウィンドウマネージャ(Enlightenment等)を実行できるまでになっている。しかし、Mac OS Xは未だに厳格なライセンス下にあり、Linuxのオープンさと競えるまでには至っていないのだ。