あなたの周りにもいるかもしれない最凶の生物--ITマネージャー編

文:Jeff Dray(Special to TechRepublic) 翻訳校正:村上雅章・野崎裕子

2009-06-30 08:00

 筆者は、IT業界という荒野を長年にわたって旅してきた。本記事では、その過程で出会った数々のITマネージャーたちを生物学的種になぞらえて類型化し、その中から油断のならない最凶の種を10種類紹介している。あなたのマネージャーやあなた自身が以下の種に当てはまっていないかどうか、チェックしてみてほしい。

  筆者はIT業界という荒野の旅を始めて以来、厄介なITマネージャーという種に数多く遭遇してきた。すべての種は「プロキュレーター」(代理執行者)という生物学的分類に属しており、捕獲には大きな危険が伴う。また、一部の種はWorld Wildlife Federation(WWF)、すなわち世界野生動物連合(訳注:WWFといっても世界自然保護基金とは何の関係もない点に注意されたい)における絶滅危惧種に指定されている。とは言うものの、そういった種を保護するための捕獲、飼育下繁殖プログラムは予定されておらず、大多数の人々はその絶滅を心から望んでいるはずだ。

 こういった危険な種の特定ができるよう、よくいるタイプのマネージャーをその性質に従って分類し、以下のような生物リストを作成してみた。ここで挙げた種は、過去に筆者とともに働いてきた多くのマネージャーを大まかに類型化していくなかで発見されたものである。なお、これらの分類はいつもの通り、軽いジョークであると思ってほしい。

#1:プロキュレーター・マーティラス(Procurator Martyrus)

和名:「会社のためになることなら何だって」マネージャー

 この種は、以下のような特徴的な鳴き声から識別することができる:

 「俺を見ろ!クリスマスの日も、昼も夜も、コレラにかかった時も仕事をしてたんだ。この前事故で自分の車が使えなくなった時は、その後6週間もの間、歩いて通勤していたんだ。両足を骨折してたにもかかわらずだ。なんで君たちは毎日もう1時間ずつサービス残業できないんだ?俺ならそうしてるぞ」

 オフィスの殉教者であるこの人物がマネージャーの座に登りつめたのは、周囲に害を為すことのない地位がそこしかなかったということなのだろう。

 英国の公務員制度では、部門の業務遂行に深刻な打撃を与える無能な人物を昇進させるという習わしがある。こういった習わしの対象となる人物の多くは、プロキュレーター・マーティラスという種に属しており、これは次に紹介する種であるプロキュレーター・イリジティマス・マキシマスの近縁種ともなっている。

#2:プロキュレーター・イリジティマス・マキシマス(Procurator IlligitimusMaximus)

和名:「卑劣で意地の悪い」マネージャー

 プロキュレーター・イリジティマス・マキシマスは、頭が固くて旧態依然とした、正真正銘のろくでなしと言える。この種が頭の中で思い描いている優れたマネージャー像というものは、近寄りがたい、あるいはこの生物の言葉を借りると「厳格で公明正大」というものなのだ。しかし、自らはそのどちらにも当てはまらない。プロキュレーター・イリジティマス・マキシマスは自らの上司に取り入ることで、その上司の退職時や失脚時にまんまと今の地位を手にしただけなのである。ありがたいことに、プロキュレーター・イリジティマス・マキシマスは現在では絶滅寸前となっている。

 チームのメンバーをクビにした後、「彼には去ってもらわなければならなかった。彼はチームに貢献する意思を見せてくれなかったのだ。彼は仕事よりも母親の葬式を優先した。われわれが会社に何をしに来ていると思っているんだ?ボーイスカウトのキャンプか?」と言ったりもするのである。

 その後、水を打ったように静まりかえったオフィスに「誰か他に文句のある奴はいるか?」という叫びを轟かせるのである。

 プロキュレーター・イリジティマス・マキシマスの問題は、いつかこの個体自身も過ちをおかすという点にある。その際、過ちに対処するべくチームに助けを求めたとしても、みんなはその個体の過去の言動を思い浮かべ、決してその懇願に耳を傾けようとはしないのだ。このため、完全に孤立することになり、身の置き場所もなくなってしまうのである。

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