部下の士気を保つために--上司の「やってはいけない」10選

文:Calvin Sun 翻訳校正:石橋啓一郎

2010-05-20 07:00

 士気を下げることの恐ろしいところは、自分が意図していなくてもそれが起こってしまう場合があることだ。Goerge Strait氏の歌の歌詞には、「It just comes natural」(ただ、あたりまえに起こることだ)とある。しかし、士気を下げてしまえば、自分のグループの生産性も下がり、自ら問題を作り出すことになる。このリストを見て、自分が士気を下げる原因になっていないか、考えてみるといいだろう。

1.望ましい振る舞いを罰する

 この行動と次の行動は、「矛盾するメッセージを送る」という1つのカテゴリーに属する。そんなことはやっていないと言い切れるだろうか?例えば親が、子どもに「もし聞きたいことや問題があったら、ママかパパに言うんだよ」と話していたとする。しかし、その子どもが話をしに来たときに、「後にしなさい、私が忙しいのが分からないのか!?」と言ったとしたらどうだろうか。

 職場で考えてみると、望ましい振る舞いを罰している一番ありがちな例は、管理職が「心配があれば隠し立てせず、正直に相談するように」と話しておきながら、相談しに来た部下をしかるというものだ。

2.望ましくない振る舞いに見返りを与える

 あなたは時間通りに、あるいは時間よりも早くミーティングに着いた。ところが、何人かはまだ現れておらず、リーダーがミーティングの開始を15分から20分遅らせた。こんなことは、よくあることだ。

 この行動が伝えているメッセージは、どのようなものだろうか。遅刻している人には、遅く来ても構わないと伝えており、時間どおりに行動する人には、時間に正確に行動しても無駄だと言っているに等しい。ミーティングの責任者は、時間通りに来た人に公平になるように、時間通りに始めるべきなのだ。この原則は、他の状況にも当てはまる。

3.えこひいきをする

 一部の人間を好きになるのは仕方がない。一部の人と一緒にいるのが、他の人の場合よりも快適に感じたとしても、仕方がないことだろう。しかし、好き嫌いや快適かどうかで、部下のえこひいきを始めるとなれば、これは問題だ。他のグループに属する人は、上司は正当に評価してくれないと考え、いい仕事をしなくなるだろう。従って、相手をどう感じているかに関わらず、成果に基づいて評価し、報酬を与えるべきだ。

 最近わたしの顧客になったばかりの組織で、えこひいきをしないよう心がけている好例があった。ITの責任者がわたしにオフィスを見せてくれていたとき、ある女性が働いているところで足を止めた。彼はわたしを紹介して何者かを説明し、その女性はわたしに管理者特権をくれた。その数時間後の昼食の時間に、わたしはその責任者と外に行こうとしたのだが、その時にこの女性も現れた。のちに、彼らは交際しているということが分かった(そしてその後彼らは結婚した)のだが、彼らの振る舞いは非常にプロフェッショナルで、端から見ていても特別な関係があるとはまったく分からなかった。この種の公平性こそ、必要なことだ。

4.朝令暮改

 部下に対する指示を変え続ければ、相手から否定的な対応をされても当然だ。相手に何を求めたかを把握しておくべきだ。もし、自分の上の上司が方針を変えたために、部下への指示を変えなければならなくなったら、その上司にはマイナスの影響があることを伝えた方がよい。

5.よい面を無視する

 あなたは、ベルリンの壁が壊されたと聞いて、仕事がなくなる警備員のことを心配するタイプの人だろうか?もしそうであれば、おそらく他のよい面も見逃しているに違いない。そういった行動は、部下の士気を萎えさせる。楽観的な考え方をして、その状況のよい面を探すべきで、悪いことでさえよい解釈をしようと試みるべきだ。そうすることで、部下の態度も変わってくる。

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