人気のUbuntu Linuxディストリビューションに、最新のリリースが登場した。しかし、これは注意を払う必要があるほどのものなのだろうか?読者の中にはUbuntuを使っていない人もいるだろうし、Linuxについてあまり知らない人もいるだろう。この記事では、Ubuntu 10.04を注目すべきものにしている、新機能や改善された点を10紹介する。
1.GNOME 2.30
これは、バージョン3への大きな更新が行われる前の、バージョン2.x系の最後のリリースだ。まだバージョン3.0を見ていない人のために説明すると、これは好き嫌いがはっきり分かれるものになるだろう。GNOMEファンにとっては、これがUbuntuの味付けでお気に入りの2.x系がリリースされる最後の機会となる。わたしは2.30を試してみたが、素晴らしかった。何が新しいかと問われれば、特筆すべきものはないのだが、GNOMEの一時代の終わりとしてふさわしいものだと思う。GNOME 2.xの後継はGNOME 3となる。実際、わたしはGNOME 3はKDE 4が失敗した部分、つまりアップグレード直後から便利に使えるか、という点で成功するだろうと思っている。
2.HALの廃止
Ubuntu 10.04では、ブートプロセスのHAL(Hardware Abstraction Layer)を廃止した。これは、とうとう起動時間が10秒になったということを意味している。わたしは実際に試してみて、10秒でブートするのを目撃したのだが、これは美しいものだ(美しさをこのように測ることができればの話だが)。ラップトップを利用しているユーザーは、HALが取り除かれたことで、サスペンド状態からの復帰時間も劇的に短縮される。
3.完全にオープンソースのNVIDIAドライバ
これが本当に気になるのは純粋主義者だけだろうが、10.04ではNVIDIAのどのグラフィックスカードを使っている人も、完全にオープンソースのドライバを使えるようになった。もう、(少なくともNVIDIAのカードについては)商用のドライバに依存する必要はない。わたしはそれらのオープンソースのドライバを使ってみたが、商用のドライバと同じように動作した。
4.ソーシャルネットワークの統合
メインパネル(画面上部のパネル)から、すぐにソーシャルネットワーキングサイトを利用できるようになっている。この機能はMe Menuと呼ばれるもので、Gwibberフレームワーク上に構築されている(Gwibberフレームワークは、新しいdesktopcouchのバックエンド上に再構築されている)。Me Menuは、複数列の表示にも対応しているので、同時に2つ以上のソーシャルネットワークをモニターすることもできる。
5.Ubuntu One Music Store
Rythmbox Music Playerに組み込まれたUbuntu One Music Storeから、何百万もの楽曲に素早くアクセスし、購入することができる(iTunesに似ている)。これは、Ubuntu Software Centerのデスクトップからすぐに商用ソフトウェアを購入できるという機能を戦略的に補完するものだ。またこれらの曲は、ユーザーがUbuntu Oneに登録しているすべてのコンピュータに同期される。iTunesにも見倣って欲しいものだ。