WindowsにMac OS XにLinux、現代OSに対する10の不満

文:Jack Wallen(Special to TechRepublic) 翻訳校正:村上雅章・野崎裕子

2010-08-03 08:30

 ほとんどの人は、自らが使用しているOSに何らかの不満を抱いているはずだ。本記事では、筆者をいらつかせている不満について解説している(なお、Linuxに対しても容赦なく斬り込んでいる)。

 筆者の記事を読んだことのある方であれば、筆者が特定のオープンソースOSの熱心な擁護者であるということをご存じのはずだ。それでは、筆者はそういったOS(Linux)が完璧だと考えているのだろうか?そんなことはまったくない。実際のところ、筆者は現在利用可能となっているすべてのOSに対して不満を抱いていると言ってもよいだろう。そこで本記事では公平を期して、筆者が現在利用しているOSに対して抱いている不満を列挙することにした。なお、以下に挙げている不満には、サードパーティー製のソフトウェアに関するものは含まれておらず、OSに関するものだけとなっている。そうすることで、出来る限り公正を期すようにしているわけだ。

#1:Windowsにおける秘密主義

 Windowsで筆者が最も気に入らない点は、すべてが隠されているというところにある。何か動作がおかしいって?どこから調べればよいのだろうか?Windowsのサーバ製品を使用しているのであれば、さまざまな警告通知を調べてみることができる。しかし、そこまでで終わりだ。それで分からなかったとしても、Windowsは問題が起こった理由を教えてくれはしない。Windows 7の場合、「アクションセンター」という機能が提供されてはいるものの、それがどれほど役に立つというのだろうか?なぜ、一般的なテキストベースのログファイルを提供し、発生したイベントすべてをテキストリーダでチェックさせてくれないのだろうか?Linux/UNIXではこういったことが可能となっている。Mac OS Xでも可能だ。なぜWindowsではできないのだろうか?筆者は、隠し事をするOSが嫌いである。起こっていることや、起こったこと、そしてちゃんと動作しない理由について知りたいというわけだ。

#2:Mac OS Xにおける柔軟性のなさ

 筆者はその昔、Windowsのことを柔軟性のないOSだと考えていた。しかし実際には、柔軟性のなさでMac OS Xの右に出るものはない。そして最近になって、それが設計に起因するものだと理解するに至った。要するに、最初から柔軟性を持たせておかなければ壊すことは難しくなる、すなわち堅牢になるというわけである。Mac OS Xは、こういったアプローチにより堅牢なOSとなっていると言える。しかし、Mac OS Xのユーザーすべてに対して、画一化されたユーザー像を押しつけるのは間違いである。Appleは、Steve Jobs氏が望む使い方ではなく、ユーザーが望む使い方を可能にするために、門戸を広げるべきなのだ。OSはユーザーに協力するものであり、ユーザーの足を引っ張るものではない。Mac OS Xはユーザーフレンドリーであるものの、ユーザーの足を引っ張る傾向にあると言えるだろう。

#3:Linuxにおける規格の欠如

 Linux Standard Base(LSB)というプロジェクトが発足したのには理由がある:Linux OSにおける多くの側面(ほとんどの側面とまでは言わないまでも)を標準化するためだ。しかしこれまでのところ、LSBは失敗に終わっている。失敗の原因はもちろん、LSBサイドにあるのではなく、ディストリビューションそのものの開発者たちサイドにある。とは言うものの、標準化の合意を形成できないために、Linux OSは痛手を被っている。さまざまなディストリビューション上で動作するソフトウェアをより容易に開発できるようにするうえで、Linuxの標準化は必要なのである。信じられないかもしれないが、このことは、Linuxの持続的な成長を支えるうえで必ず乗り越えなければならない壁だと言える。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. 運用管理

    メールアラートは廃止すべき時が来た! IT運用担当者がゆとりを取り戻す5つの方法

  2. セキュリティ

    ISMSとPマークは何が違うのか--第三者認証取得を目指す企業が最初に理解すべきこと

  3. セキュリティ

    経営陣に伝わりづらい「EDR」の必要性、従来型EDRの運用課題を解決するヒントを解説

  4. セキュリティ

    AIサイバー攻撃の増加でフォーティネットが提言、高いセキュリティ意識を実現するトレーニングの重要性

  5. ビジネスアプリケーション

    中小企業のDX奮闘記--都市伝説に騙されずに業務改善を実現したAI活用成功譚

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]