ユーザーに適したクラウドソリューションを見つける--5つのティップスを紹介

文:Sundar Raghavan (Special to TechRepublic) 翻訳校正:村上雅章・野崎裕子

2010-12-17 08:00

 クラウドコンピューティングの普及が進んでいる。クラウドコンピューティングはスケーラビリティや可用性、オンデマンドアクセス、迅速な配備、低コストといった利点を有しているため、ビジネスを推進する強い原動力になるという評判を早くから獲得している。そして、アプリケーションの開発やテストに従事しているようなITに詳しいユーザーも、アプリケーションライフサイクルを迅速に回していくために、クラウドモデルを採用している。また、セルフサービスによるクラウド構築を可能にするという最近のイノベーションによって、コンサルティングや研修、セールス用のデモンストレーションといった分野のユーザーも、クラウドサービスを直接利用できるようになってきている。

 こういったメインストリームのユーザーによって、クラウドサービスの採用が進んでいる一方で、多くの企業はITのプロフェッショナル向けに設計された「インフラ指向」のクラウドサービスが、近寄り難く、使いづらいものになっていると捉えている。ビジネスクラウドが、実際の業務ユーザーにとっての価値あるソリューションになるには、iTunesのようにシンプルかつセルフサービス指向のものとなっていなければならない。多くの企業は、クラウドサービスをセットアップしたり、必要なコーディングあるいはカスタマイズを行うだけの十分なITリソースを有していないため、こういったことは特に重要となってくる。

 ビジネスクラウドというソリューションは、使い始めた初日から、コーディングを開始できるだけでなく、有用なものにもなっていなければならない。以下に、あるクラウドソリューションがあなたのビジネスにとって使えるものになっているかどうかを判定するための手順を紹介する。

#1:そのクラウドによって、あなたのビジネスが抱えている問題に直接取り組めるかどうかを検証する

 あなたはそのクラウドによってビジネス上のどういった問題を解決しようとしているのだろうか?こういった点に光を当てることで、技術的な落とし穴を回避しやすくなるはずだ。サポート担当者や教育担当者、業務アナリストといった複数の実務ユーザーが使用するクラウドソリューションを評価しているのであれば、そのソリューションによって彼らの持つニーズを満足させられるかどうか確認してほしい。クラウドのインフラのみを提供するようなソリューションの場合、実務ユーザーはワークフローを導出するためのUIフレームワークなしに業務を遂行することなど困難となるはずだ。また、チーム内でのコラボレーションを充実させるためにクラウドを導入するという場合、役割に応じてユーザーに権限を割り当てることのできる、より粒度の細かいアクセスモデルがクラウドサービスプロバイダーから提供されているかどうかを確認しておくべきである。

#2:ユーザビリティに焦点を当てる

 今日のエンタープライズにおける業務ユーザーは、新たなアイデアの実現や、顧客とのコラボレーションを可能にするシンプルなセルフサービスクラウドを必要としている。そしてユーザビリティには、設定可能性やセルフサービスアクセス、コラボレーション、可視性、統制といった観点からの要件が含まれる。このため、クラウドサービスを検討する際には、以下のような要件をチェックしてほしい。

  • そのクラウドは、さまざまなユースケースに合わせた設定を簡単に行えるようになっているか?
  • そのクラウドには、ポリシーや、役割に基づいたアクセスを強制するためのチーム管理機能が提供されているか?
  • そのクラウドによって、既存顧客や潜在顧客、パートナーとのコラボレーションが阻害されたり、複数のシナリオの実行に制約が課されたりするようなことはないか?
  • クラウドサービスプロバイダーは、詳細な使用レポートや、統制メカニズムを提供しているか?

 これらは、あなたの会社の規模や、あなたのチームの技術レベルにかかわらず、ビジネスにおけるアジリティ(俊敏性)を実現するうえでの重要な要件である。こういった機能は、新たなITスキルを習得したり、何時間にも及ぶクラウド研修を受けたりする時間のない業務ユーザーに歓迎されるはずだ。

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