この数年でビデオ会議システムは大きな技術的進化を遂げている。そのひとつが通信インフラの変化だ。かつてはISDN接続で「H.320」と呼ばれる規格によるものだったのが、現在では、IP網接続による「H.323」という規格が主流となっている。
それと同様に、映像の画質も変わりつつある。かつては「Standard Definition」(SD)のみであったのが、現在では、より高精細な「High Definition」(HD)が主流になりつつあるのである。
これらの変化がどういったものであるかというと、かつては映像が“カタカタ”と動くものであったのに対して、現在では、よりスムーズな、テレビと同じようなキレイで途切れることのない映像へと進化しているのである。こうした変化から、現在のビデオ会議を含んだビジュアルコミュニケーションは、IP網を利用することでランニングコストが低い、高画質化・大画面化による臨場感あふれる品質の高いコミュニケーションが実現できるようになっている。
そうしたビデオ会議システムがもたらすのは、単に“距離と時間を節約できる”という効果のみにとどまらない。ビデオ会議システム専門ベンダーである日本タンバーグのマーケティング・マネジャーの三浦睦子氏は、「企業に競争力をもたらすことができる」と説明している。そのひとつが、ビデオ会議システムで「迅速な意志決定ができる」というメリットだ。
日本唯一のDRAM専業半導体メーカーであるエルピーダメモリは、日本タンバーグのビデオ会議システム「TANDBERG Potable 6000 MXP」と「TANDBERG Set-Top 990 MXP」を導入している。同社での導入の目的は、移動時間の削減と時間の効率的活用を狙ったものだった。
ビデオ会議システムの効果について、同社代表取締役社長兼最高経営責任者(CEO)である坂本幸雄氏は、「企業経営では、意志決定のスピードが重要だと言われているが、速度のみならず、高い正確性が求められている。そのためには、的確なデータを共有しながら、相手がどのように感じているのか、相手の表情を見ながら判断していくことが必要です」として、日本タンバーグの製品が大きな役割を果たしたと語っているという。
つまりは、時間と距離を節約しながらも、顔と顔を付き合わせたフェイス・トゥ・フェイスの会議と同様に、不満を持っているのか、理解しているのか、相手の表情を読みながら会話できるというメリットがビデオ会議システムにあるということだ。これは、高画質化・大画面化した現在のビデオ会議システムだからこそできるということの表れなのである。
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