Ned Hooper氏の名が、Cisco Systemsで合併吸収(M&A)部門を率いてきた歴代幹部たちの連なる長いリストの最新欄に刻まれた。Hooper氏は、数々の企業買収を成功させてきたCiscoマジックを維持し続けていけるだろうか?
Ciscoが成長し、新しい市場へと参入していくにつれ、買収規模は大きくなり、かかわる利害もかなり大きくなっているようだ。今や、Ciscoの法人業務開発担当バイスプレジデントとなった39歳のHooper氏にとって、これまでの成功率を維持していくことが課題になるだろう。
CiscoのM&A部門のナンバー2の地位にあったHooper氏は、すでにいくつかの重要な買収に取り組んだ経験を持つ。なかでもよく知られているのが、69億ドルというScientific Atlantaの買収や、5億ドルのLinksysの買収だ。
M&A部門ナンバー1の職責を担ってまだほんの数カ月だが、Hooper氏はある重要な買収を成功させている。3月、Ciscoはウェブ会議サービス最大手で、中堅の株式公開企業であるWebExを現金32億ドルで獲得すると発表した。同社の買収は、Ciscoが新しい市場に進み、ウェブサービス事業へ参入するのに役立つものだ。
CNET News.comでは、Ciscoのニューヨークオフィスと、カリフォルニア州サンノゼのCNET News.comのオフィスをつなぐ同社の「Cisco TelePresence」ネットワークを通じて、Hooper氏と(バーチャルな)差し向かいで話を聞くことができた。
--Ciscoは新しい市場へ参入するために、買収を有効に利用してきました。参入する市場は、どのように決定するのですか?
買収に対するわれわれの姿勢は、過渡期にある市場を探すことです。たとえば、技術のコンシューマ化は、新しい市場を促進するトレンドです。15年前に遡ると、たくさんの技術が企業から家庭へと移行していました。しかし、近年は逆で、われわれは家庭から技術を獲得し、それを企業へもたらしたいと考えています。
Wi-Fiはその好例です。人々は、家庭と同じように、インターネット接続を維持しながら、オフィス内を自由に動きたいと考えました。だから、Linksysのルータを仕事の場に導入し、Wi-Fi接続を構築するようになったのです。しかしそこから、IT部門において不正アクセスポイントの問題が発生しました。そこでわれわれは、企業向けWi-Fiネットワークのセキュリティを手がけるAirespaceを買収することにしました。
変化は、技術そのものだけでなく、WebExの買収のように、ビジネスモデルの改革を通じて起こることもあります。世の中の流れはコラボレーションを強化する方向へ進んでいます。したがってわれわれは、これを新しいビジネスチャンスの創造という観点からとらえ、当社の顧客のために、ホステッドサービスなどのオンラインコラボレーションツールを作り出そうと考えています。
--Ciscoはこれまで、トレンドとしての移動性について多く語っています。また、Ciscoは企業に注力して、従業員がワイヤレス機器からアプリケーションにアクセスするのを支援してきたように感じます。消費者市場における移動性のビジネスチャンスとはどのようなものでしょうか?
消費者市場においては、メディアコンテンツへのアクセスがすべてです。私の妻が新しい車を買ったばかりですが、それにはBluetoothと「iPod」のドッキングステーションが搭載されています。そこで考えて欲しいのですが、われわれは毎日、いくつのハードディスクを持ち歩いていると思いますか?3台か、おそらく4台はあるでしょう。こういった機器の一部は、Bluetoothによってワイヤレスでネットワークに接続され車に情報が送られています。ということは、ネットワークにどこからでもアクセスが可能で、こうした情報を自動車に送信することができるのに、なぜ携帯型のハードディスクにデータを保存する必要があるのでしょうか?その点に、Ciscoのようなネットワーク企業にとっての大きなチャンスがあると思うのです。
--Ciscoは2年前、Scientific Atlantaを買収する直前に、欧州の小規模な家電メーカーのKiSS Technologyを買収しています。なぜこの買収で獲得した製品がリリースされていないのでしょうか?
消費者市場向けに製品を製造する場合、コストが問題となります。その点が企業を対象にした場合と非常に異なる点で、企業では、ネットワークを拡大したときに生産性の向上が著しいのです。価格圧力は非常に少なく、得られる利益は莫大です。
消費者の場合、自分の予算に制約される度合いが、大企業よりはるかに大きくなります。消費者にネットワークを活用してもらうという点に関して、われわれがまだ初期段階にあると思うのはこのためです。なぜなら、当社はまだ、製品をマスマーケット向けに販売できるところまで、コンポーネントの小売価格を下げている途中の段階だからです。
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