環境問題もストレージがポイント
――このところ、環境問題への対策として「Green IT」がIT市場の最大のテーマといわれるようになってきています。SNIAではどのような取り組みを推進する計画ですか。
確かに今、IT市場ではGreen ITという言葉が叫ばれていますが、これは非常に重要なテーマだと考えています。この分野では、例えばデータセンターの省エネルギー化を推進するGreen Gridなどの団体が取り組みを進めています。SNIAではこうした団体と協調しながら、特にストレージという分野に特化して環境問題を考える組織として、2007年10月にGSIという組織を立ち上げたことは紹介した通りです。
ここでは、あらゆるストレージネットワークについての省エネルギー対策や環境保護、そしてデータストレージオペレーションの環境に与える影響を最小化する取り組みを推進しています。特に、現在のユーザーは数多くの種類のストレージを導入していますので、単にストレージ単体の環境問題を考えるだけでなく、オペレーションレベルでの省エネルギーや環境問題を検討する必要があると考えています。
また、データセンターではサーバとネットワーク、そしてストレージが一体となって稼働していますので、ストレージだけにとどまることなく、他のシステムと連動したグリーン化の取り組みを推進していく必要があります。それによって、ITシステムのユーザーが省エネルギー、省電力化を進めるための指標を提供していきたいと考えています。そのため、GSIの他にGreen Storage TWG(技術作業部会)を設置し、具体的かつ技術的な測定基準や測定値を策定していく考えです。
――教育および認定ということにも、さらに力を入れるようですね。
SNIAの教育および認定プログラムは単にストレージという業界にとどまることなく、IT開発者、製品を開発する人々、そしてエンドユーザーに対してもITプロフェッショナルとなるためのものと位置づけています。そして、こうした教育および認定プログラムは2008年も引き続き力を入れていくテーマです。
現在、SNIAではそれぞれの技術者のレベルに応じて認定プロフェッショナル(SCSP)、認定アーキテクト(SCA)、認定エンジニア(SCSE)、認定エキスパート(SCSN-E)という4つの認定資格を実施しており、すでに2300〜2400人の認定技術者を輩出しています。
このうち認定プロフェッショナルは日本語でも受験可能です。英語以外でも受験できる環境が整っているのは日本だけです。これはSNIAの活動のグローバル化の一環ということができます。
――最後に、日本のIT化はどうしても欧米の取り組みに比べて遅れているという指摘があります。SNIAというグローバルな業界団体の中でそれを感じることはありますか。
SNIAの中でもそれぞれの地域で状況に違いがあり、異なる要求があります。日本についていえば、他の地域に比べていまだメインフレームストレージが重要な役割を担っていおり、NAS市場がまだ小さいという特徴があります。SANの導入についても、他の地域に比べるとまだ小規模です。しかし、それぞれの地域で多少の違いはあっても、大きな潮流は変わりません。SNIAの日本支部も毎年市場調査を行っており、こうした潮流をとらえてグローバルな潮流と比較する取り組みを進めています。
それと並行して、SNIAそのものの役割が変化していることを改めてお伝えしたいと思います。SNIAが設立した10年前は、ITシステムの中ではサーバが中心で、ストレージは周辺機器という位置づけでした。しかし現在はGreen ITでも仮想化でも、ストレージがITシステムの中で果たす役割が増大しています。データセンターでもサーバ、ネットワーク、ストレージの3つが同様に重要な役割を担っています。SOA(サービス指向アーキテクチャ)においてもストレージが重要な役割を担っており、情報を共有するストレージがITシステムの進化を担うようになったと考えてよいと思います。
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