Adobe Systems は米国時間4月26日、「Flash」や「Apollo」を利用したアプリケーションの開発用フレームワークである「Adobe Flex」を、オープンソースで提供する計画を進めていると発表した。
提供開始は、Flexの次期バージョン「Flex 3」(開発コード名:「Moxie」)をベータ公開する6月からになる見込みだ。
同社幹部は24日、2007年末にFlex 3の完成版をリリースするころまでには、完全に機能するオープンソースプロジェクトを作り上げたいと語った。配布ライセンスとしては「Mozilla Public License」を採用する意向だ。
Adobeによると、オープンソースで提供するのは、コンパイラや開発を迅速化するライブラリを含む「Flex SDK」だという。「Eclipse」ベースの開発ツール「Adobe Flex Builder」およびクライアントとサーバ間のデータ連携を管理するサーバソフトウェア「Adobe Flex Data Services」などは製品としての販売を続けていく。
ウェブページで動的なインターフェースを実現する、いわゆるリッチインターネットアプリケーション(RIA)の開発ツールの数は増えつつあるが、Flexもそうした選択肢の中の1つだ。プログラマーはこの開発用フレームワークを利用して、「Adobe Flash Player」や「Apollo」で稼動するRIAを作成できる。Apolloは、デスクトップ上でWebアプリケーションを実行できるようにする「プレーヤー」だ。
Adobeの企業および開発者向け事業部門で製品マーケティング担当バイスプレジデントを務めるJeff Whatcott氏によると、同社がFlexをオープンソース化するという方向を選択したのは、社外の開発者から優れたアイデアや協力を得るためだという。
またこれには、ソースを公開していないソフトウェアやプロプライエタリな製品を避けがちな、オープンソース開発者に対する訴求力を獲得するという意味合いもある。Adobeは既にFlex SDKを無償で提供しており、ソースコードも公開している。
「一部の人々にとって、(オープンソースは)哲学的な要請であり、企業の誠実さと信頼性の表われとみなされる」と、Whatcott氏は述べている。「今回の決定によってそういった人々とのギャップが縮まり、当社の公開性とコミュニティへの関与に対して彼らがいまだに抱いている疑いが拭えるだろう」(Whatcott氏)
同氏によれば、Adobeが現時点でオープンソースへの移行を決定したのは、Flexテクノロジが成熟し、開発者やRIA開発に関わる人々の間でFlexに対する関心が高まってきたためだという。
6月のベータ版公開以降、正式リリースまではAdobeが夜間更新を行い、バグデータベースを公開する。年末の完成版リリースを迎えれば、外部からの協力を受け入れる体制が整う見込みだ。
Adobeは2006年11月、オープンソースのウェブブラウザ「Firefox」を開発しているMozilla Foundationに「ActionScript Virtual Machine」を寄贈しているが、今回の動きも引き続きオープンソース陣営との協力関係を築こうとするものだ。
ソフトウェアベンダーにとって、もはや開発ツールの無償化やオープンソース化はほぼ必須と言ってもいい。Adobeも多くの企業と同じく、上級者向けツールやサーバソフトウェアといった関連ソフトウェアで収益を得る考えだ。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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