JavaScriptは、ウェブページに見栄えのする効果や柔軟性を加える目的で長年にわたり非常に広く使われてきたが、近年ではリッチインターネットアプリケーションにとって配管の役割も担うようになってきた。だが、JavaScriptはパフォーマンスの低さが足かせになっていたため、ウェブベースのアプリケーションがPC上で直接動く「ネイティブな」ソフトウェアと同程度に敏感に動作するのは困難な場合が多かった。そのため、Webアプリケーションを作るプログラマーたちは往々にして、Adobe Systemsの「Flash」や「Flex」といった他の選択肢に乗り換えてきた。
そして今、Mozillaは、JavaScriptに有利になるよう勢力バランスを変えたいと望んでいる。
「TraceMonkeyは、ネイティブなコードのスピードをJavaScriptにもたらすためのプロジェクトだ」と、Mozillaでエンジニアリング担当の暫定バイスプレジデントを務めるMike Shaver氏は述べ、JavaScriptベンチ「SunSpider」によるテストでは、JavaScriptのパフォーマンスが「FireFox 3.0」の約2倍になったと付け加えた。また、TraceMonkeyを搭載すれば、多くの基本タスクの速度が向上するだけでなく、画像の編集や3D画像の描画をJavaScriptで実行できるようになると、Shaver氏は説明した。
TraceMonkeyは、8月21日にMozillaのプログラマーたちがFirefoxの開発者バージョンの最新版に実装しており、Firefox 3.1初のベータ版になる可能性が高い次回リリースのテスト版で公開される予定だと、Shaver氏は述べた。Firefox 3.1は2008年末が最終版の期限となっているが、Mozillaは、必要であればスケジュールを少し遅らせることも検討している。
JavaScriptの実行速度が向上すれば、より高速なウェブサーフィンが可能になる。そのため必然的に、Microsoftの「Internet Explorer」、MozillaのFirefox、Appleの「Safari」、および「Opera」の間で再び繰り広げられているブラウザ戦争において、JavaScriptの実行速度が重要な要素となっている。「われわれも他の陣営と同様、市場が再び競争的になっていることは認識している」とShaver氏は語った。
TraceMonkeyに携わっているプログラマーでJavaScript発明者のBrendan Eich氏は、JavaScriptベンチ「SunSpider」で速度が83%向上したと8月22日のブログに記している。とはいえ、この速度テストは人工的なベンチマークであり、Yahooの電子メールソフトウェア「Zimbra」のような実際のJavaScriptアプリケーションにおける結果を正確に反映しているわけではない。
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