分析しようとする問題そのものについての理解
まず、データを分析するにあたって、自社のビジネスがどのように成り立っているか、主要顧客は誰なのか、どのような問題があり、課題として挙がっているかなどの現状認識が必要です。この現状認識は特定の領域内で蓄積されることから「ドメイン知識」と呼ばれることもあります。業界や企業内の慣習で暗黙知化されていることもあり、あまり明確でないことも多いです。正しい現状認識から適切な分析方針を決定する必要があります。
分析手法についての理解
設定された問題に対して、どのようなデータを用いて、どのような手法で分析、検証するべきか決める必要があります。そのためにも、分析者は統計的手法や多変量解析、データマイニング手法などについて理解している必要があります。各手法は万能な物はなく、データの特性にしたがって適切な手法を選択しないと正しい分析結果へと結びつきません。また、近年ではさまざまなツールの進歩によって何かしらの答えが出てきてしまうため、誤った手法による分析結果で意思決定してしまうケースも珍しくありません。
分析結果に対する判断
適切な方法によって出て来た結果をもって、ビジネスにどのように適用するべきかを考える必要があります。分析だけを実施しても実際に施策に結びつかないのであれば、分析のための分析であって意味がありません。
この判断を適切にするようになることで、データドリブンな意思決定ができると言っていいでしょう。分析結果を見て釈然としないからと言って、過去の経験を基に意思決定してしまっては元も子もありません。
自社のビジネスの理解とそれぞれのデータの把握
分析に対する心構えはできたとして、いざ分析しようと思っても、自社のビジネスのデータがどこにどのように存在しているのかを把握しなければなりません。さまざまなデータが蓄積できるようになった弊害として、データが部署ごとに散在してしまい、どこにどんなデータがあるのかが分からないことがあります。
また、自社がビジネスでどのようなデータを蓄積しているかが分からないケースもあります。マーケティング部門であれば、過去の売り上げデータやキャンペーン情報があるでしょうし、コールセンターであれば顧客からの問い合わせなどのテキストデータを持っているでしょう。