クラウド:7割のプロバイダーが「セキュリティはユーザーの責任」

吉澤亨史

2011-05-16 20:09

 CA Technologiesは5月16日、米法人が行ったクラウドのセキュリティに関する意識調査「Security of Cloud Computing Providers」の結果を発表した。調査結果から「クラウドプロバイダーとユーザー企業に存在するクラウドのセキュリティに対する注目点や優先順位、責任についての認識の違いは、クラウドのセキュリティに関する責任の所在がクラウドプロバイダーとーユーザー企業のどちらにあるのかというコンセンサスが両者間で見いだされていないことを示唆している」と説明している。

 調査結果によると、クラウドプロバイダーはコスト効率と導入までのスピードに重点を置いており、これは利用者がクラウドコンピューティングへの移行を考慮する際の動機と同じであった。また、クラウドプロバイダーの79%が、セキュリティや制御関連にITリソースの10%またはそれ以下しか割り当てておらず、「セキュリティが最優先だと思うか」という質問に対して「非常にそう思う」「そう思う」と答えたのが全回答者の半分以下であった結果と呼応している。

 米国と欧州のクラウドプロバイダーの中で「セキュリティを競合優位性として位置付けている」のは回答者の20%以下にとどまり、「セキュリティは重要な責任のひとつである」と見ているのは回答者のうち30%以下となった。「自社のクラウドサービスが顧客の情報を十分安全に保護している」と回答したのは27%以下となっている。

 さらに、クラウドプロバイダーの69%が「セキュリティは主にユーザー企業の責任である」と考えているのと対照的に、ユーザー側でそのように考えているのは35%であった。また「セキュリティの責任は双方にある」と考えているクラウドプロバイダーはわずか16%であるのに対し、ユーザー企業では33%。「セキュリティは主にクラウドプロバイダーの責任である」と回答したのは、クラウドプロバイダー、ユーザー企業とも32%であった。

 調査は、米CA TechnologiesとPonemon Instituteが実施。プライバシー、データ保護、情報セキュリティポリシーに特化した独立系調査会社であるPonemon Instituteが米国のクラウドサービスプロバイダー103社と欧州6カ国の24社の合計127社に対して行われた。

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