クラウドコンピューティングと地政学的境界--「2つの現実」がもたらす運用面の課題 - (page 3)

文:James Urquhart(Special to CNET News) 翻訳校正:川村インターナショナル 2010年06月30日 08時00分

 アプリケーション運用者は、データが危険にさらされる国を通過しないようにしながら、ネットワーク的な意味でユーザーから「最短距離」の地点にアプリケーションを配置したい場合、どうすればいいのだろうか。もう一度言うが、データが2つの物理的地点を移動する際に選択する経路は、運用者が予期していた経路とは異なる可能性がある。

 政府や企業がインターネットと「クラウド」を人間の地政学的な現実に当てはめようとする事例は、既にいくつかみられる。中国やイラン、パキスタンといった国々は、インターネットの「窓」を自国の国境線上でコントロールし、そうした検問所で、テクノロジを応用して「ボーダートラフィック」をコントロールすることに積極的な姿勢を見せている。

 クラウドプロバイダーは、地政学的な現実に沿うように、サービスの提供範囲を明確に示している。Amazon.comの「Elastic Compute Cloud(EC2)」の対応地域がその格好の例だ。

 しかし、インターネットとインタークラウド自体の内部に、人間世界をコンピュータ世界に「自動的」にマッピングする正式なインフラストラクチャが欠落している。そもそも、そんなことは可能なのだろうかと筆者はよく不思議に思う。コンピュータネットワークとアプリケーションが自己規制できるように、世界の法律や規制をデジタル形式に「コード化」することなどできるのだろうか(もっと端的に言えば、それに取り組むべきなのだろうか)。

 仮にそのようなシステムが実現した場合、政治にどのような影響を及ぼすだろうか。

 クラウドコンピューティングでは、「仮想的」な地理と「現実的」な地理の両方が極めて重要だ。そして、この2つをうまく連携させることは人間の役目である。これは複雑で、間違いも起こりやすい作業だ。それ故に、クラウドコンピューティングがITプラクティスを破壊している現状から発生する、素晴らしいビジネスチャンスの1つになるかもしれない。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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