(前編はこちらです)
FCoE自身は非常に単純な技術であり、前述の通り“FCをCEEでカプセル化”しているだけである。つまり、上位層はFCそのままである。通常のFCとFCoEで異なるのが、ログインの仕組みだ。
FCではファブリックサービスに対応する「well-known」アドレスというものが規定されており、ここでファブリック(FCスイッチ)上で動作する「ログインサーバ」を指定することで、各デバイスがFCファブリックにログインを行う。一方CEEを前提とするFCoEでは、この「ファブリックサービスを発見する」仕組みが必要であり、これを規定しているのが「FIP(Fabric Initialization Process)」である(図10)。
図10:Fabric Initialization Process(FIP)
CEEファブリック内ではFCのファブリックサービスが動作しているとは限らないため、発見にはマルチキャストを使用する。この発見プロセスでFCファブリックサービスを見つけることができれば、それ以降は通常のFCのファブリックログインを行うことでFCアドレスを得ることができ、それ以降の通信も可能となる。またCEEデバイスは当然MACアドレスを持つが、FCで使用するWorld Wide Name(WWN)は持っていないため、WWNを自動生成する仕組みが必要となる。これもFCoEファブリックが備える新しい仕組みの一つである。
FCoEでは、FCフレームを1:1でEthernetフレームにカプセル化する(図11)。ここで、FCフレームの中身は変更されない。上位レイヤは既存FCと同じであるため、FCoEでも既存のFCにおける運用管理の仕組みを踏襲することができる。この「FCの仕組みをそのまま活用できる」という点が、FCoEの最大のメリットである。
FC-SANはこれまで、ブロックアクセスのネットワークインフラとして中心的な役割を果たし、広く普及してきた。現時点で、FCの総出荷ポート数は約2000万ポートにもなる。FCを前提とした管理手法や運用管理ツールなども広く使われており、これらが仮に新しい技術の登場ですべて変更されてしまうようだと、管理者にとって大きなデメリットである。
しかしFCoEでは、FC-SANで培ったノウハウをほぼそのまま生かすことができる。SAN、そしてストレージ管理製品についても実装を大きく変更する必要はないため、導入の敷居は非常に低い。
たとえばFCoE/CEEに対応したボードは「CNA(Converged Network Adapter)」と呼ばれるが、これは既存のFCのHBAとまったく同じように認識される(図12)。また「LUNマスキング」「ゾーニング」といった、ストレージ管理者にとってはお馴染みの手法もそのまま使用できる。つまり、FCoEとは「Ethernet(CEE)を“土管”にしたFC」であり、あくまでも「FC」なのだということを理解しておいていただきたい。
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