ソフトバンクのiPhone獲得を考える緊急連載。携帯業界を揺るがすビジネスモデル「レベニューシェア」と、その導入に踏み切る「経営者の資質」を考察する。執筆者は今回もエリック松永氏だ。
今回のソフトバンクからのiPhone発売に対し、NTTドコモは「今回の発表は残念」とコメントした。なぜ今回、ソフトバンクだったのか。筆者の考え(妄想)を披露してみよう。
今回の交渉の肝は「通信のレベニューシェア」だと筆者は思っている。つまり、携帯電話の通信料金の一部を毎月アップルが受け取る仕組みだ。米国のAT&Tと同様の契約をしているとすれば、1契約あたり毎月$3、新規契約の場合$8がAT&TからAppleに支払われることになっている。
ソフトバンクの基本的な販売モデルでは、メーカーからの売り渡し価格でソフトバンクが端末を購入し、Markupを付加した価格で代理店に卸す。代理店もMarkupを乗せて、実際に消費者が目にする販売価格となる。スーパーボーナスなどのサービスでは分割払いとなるが、基本となる端末価格は同じだ(割引はある)。
ソフトバンクは代理店に対して販売価格を指定できない仕組みになっているので、ソフトバンクが調整できるのは売り渡し価格にMarkupした価格まで。メーカーも携帯電話をキャリアに売り渡した時点で「ビジネス終了」となる。
しかし、iPhoneの場合は、である。契約してiPhoneが売れた後も、毎月チャリンチャリンとアップルにお金が舞い込んでくることになるのだ。
レベニューシェアモデルはメーカーにとって新たな収入源になる。売り切りではなく、毎月入る収入というのはかなり魅力が高い。これは今まで通信キャリアと苦渋を共にしてきた国内メーカーにとって、大きな影響を与えることになるだろう。膨大な開発費用をかけたヒット端末に対して、レベニューシェアを求めてきても不思議はない。
つまりレベニューシェアの導入には、それなりの決断が必要という事だ。では、レベニューシェアに踏み出すにあたって、何が必要かと考えてみよう。
それは経営者の――
ということになる。
以上2点を考えると、レベニューシェアを実現するのは「孫正義社長」以外に想像できない――そんな風に考えるのは、筆者に限らないのではないだろうか。
エリック松永(Eric Matsunaga)
Berklee College of Music、青山学院大学大学院国際政治経済学研究科(修士)卒業。19世紀の米国二大発明家Graham Bellを起源に持つ米国最大の通信会社AT&Tにて、先進的なネットワークコンサルティングの領域を開拓。その後アクセンチュアにて、通信分野を柱に、エンターテインメントと通信を活用した新事業のコンサルティングをグローバルレベルで展開する。現在、通信業界を対象にした経営コンサルタントとして活躍中。
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