EMCは米国時間25日(現地時間)、現行の最上位モデルの約4倍近い容量を持つ新しいストレージシステムの計画を明らかにした。
「Symmetrix DMX-3」というこの新製品は、960個のハードディスクに最大288テラバイトまでデータを保存可能で、最大560個のハードディスクを搭載できる現行モデルの性能を大きく上回る。さらに、今年末までには、単一のストレージシステムに2000個以上のハードディスクを搭載し、最大で1ペタバイトのデータを記録できるようになると、同社は説明している。
1ペタバイトは1000テラバイトを若干上回る要領で、音楽ファイルなら約2億5000万曲、通話記録であれば2兆回分を保存できると、EMCのTom Joyce(ストレージプラットフォームマーケティング担当バイスプレジデント)は述べている。
新製品は9月にも出荷される予定で、銀行、電話会社、航空予約システムといった大規模なストレージを必要とする企業向けに販売されると、Joyceは説明する。これらの大企業では、Symmetrix DMX-3を使うことで、複数のストレージを1台にまとめることができ、結果としてコスト削減につながるという。
EMCによれば、同社の平均的なユーザーの場合、ストレージに溜め込むデータが1年間で最大60%も増加しているという。Joyceは、こうした大幅なデータの増加について、企業にデータの保管を義務付ける、いわゆる「Sarbanes-Oxley Act」という米政府の規定によるものだとしている。また、別の要素としては、ディスクストレージの価格下落と、低価格なファイバチャネル(FC)対応ハードディスクの出現が挙げられる。これにより、企業は従来よりもさらに多くのデータを保存し、分類する方法を手にすることになる。
EMCはFCベースのハードディスクをSymmetrixに組み入れる予定だ。同製品はまた、前世代の製品の2倍の数のプロセッサと、より高速なI/Oインターフェイスを搭載しているとJoyceは説明する。
Symmetrixを含むEMCのDMX-3の価格は25万ドルからとなる。さらに、最も先進的な機能を搭載し、最大容量のストレージスペースを持たせた場合、価格は数百万ドル程度になる。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ