ファイルメーカーは「FileMaker Go for iPhone」および「FileMaker Go for iPad」について、報道関係者を対象に説明会を行った。
FileMaker Goシリーズは、「FileMaker Pro」で構築したデータベースをiPhoneおよびiPadで運用するためのアプリだ。FileMaker Pro 7以降のデータベースを、カスタマイズなしで動作させることができる。
具体的には、FileMaker Pro 7以降で作成された「.fp7」の拡張子を持つファイルフォーマットのデータベース、FileMaker Pro 11および10、FileMaker Server 11および10でホストされたデータベースが対象となる。
FileMaker Goでは新規のデータベースを作成することはできないが、FileMaker ServerあるいはFileMaker Proでホストされたデータベースには、iPhone、iPad、iPod Touchから即座に変更内容を反映できる点が特徴だ。レコードの新規追加や削除、変更および検索のほか、ウェブビューア機能の搭載、ポータルおよびタブコントロール機能も提供される。
同期機能はサポートしていないが、スクリプトによって実装することは可能。また、iTunesを通じて、デスクトップマシンのデータベースを、iPadなどのデバイス上へコピーしてのファイル共有が可能になるほか、フォーム、リスト、表形式といったFileMaker Proのレイアウトを、そのまま表示することができる。さらに「ピンチ」や「スワイプ」「タップ」といった、iPhoneおよびiPod特有のタッチ操作のユーザーインターフェースにも対応している。日付入力も、iPhoneおよびiPadで採用されている入力方法を活用でき、モバイル環境における操作性を高めているという。
ファイルメーカーのシステムエンジニアである日隈雅也氏は、「FileMaker Goでは新規のデータベースの作成は不可能だが、FileMaker Proで提供されているものはほとんどが運用できると考えてもらっていい。これまで当社では、Windows、Macおよびウェブでデータベースを利用できる環境を提供してきたが、今回の製品によって、iPhoneおよびiPadでも利用できる環境を提供することになり、『すべての方々にデータベースを』というコンセプトを進化させることができる」とした。
FileMaker Goの主な利用シーンとしては、iPhoneおよびiPadを利用した在庫調整、設備管理、入出荷のトラッキング、製品出荷のスケジュール管理といったビジネス生産性の向上を図る分野のほか、製品のプレゼンテーションや販売注文の生成、CRMにおけるトラッキングや更新、イベント管理といったセールス&マーケティング領域、さらに授業のスケジュールや、先生の成績管理といった教育分野での利用などを想定しているという。
販売はApp Storeで行われており、価格はFileMaker Go for iPhoneが2300円、FileMaker Go for iPadが4600円となっている。ライセンス販売は現在行っていない。なお、基本的なメニューはすべて英語となっている。メニューの日本語化について、時期は未定ながらも「前向きに検討している」という。