ラスベガス発--Microsoftは、同社のウェブ上の諸機能と連係する「マッシュアップ」アプリケーションを開発するよう、開発者を勧誘するためのウェブサイトを立ち上げた。こうした取り組みの背景には、Microsoftが全社的にホスティングサービスへの移行しているという事情がある。
Microsoft Developer Networkは今週に入り、当地における「MIX06」ウェブ開発者向けカンファレンスの開催と並行して、「Windows Live Developer Center」サイトを開設した。
同サイトでは、ソフトウェア開発者が、Microsoftのウェブサイトのデータもしくはサービスを利用するアプリケーションを記述する際に参照する文書を提供している。例えばプログラマーであれば、Eコマースウェブサイトの情報を「MSN Search」もしくはMicrosoftの地図サイト「Virtual Earth」と組み合わせて表示する、マッシュアップを製作できるようになる。マッシュアップは、複数のソースのコンテンツを融合させるハイブリッド型ソフトウェアのことだ。
他社がウェブ上の資産に関して行っているのと同様に、Microsoftも開発者に対して、アプリケーション記述に必要な技術情報を提供するAPIを公開している。
これまでのところ、MSN Search、「MSN Messenger」、ブログソフトウェア「MSN Spaces」や、「Windows Vista」の「Sidebar」ウィンドウ内で動作するミニアプリケーションなどに関係する技術情報が提供された。VistaはWindowsの次期デスクトップ版で、2007年1月から販売が開始される予定。
今週のMIX066カンファレンスでは、Microsoftの幹部がサードパーティ開発者に、同社の製品やホスティングサービスをアプリケーション開発の土台とすることを検討して欲しいと呼びかけた。
Microsoft会長であるBill Gates氏は米国時間3月20日に基調講演をし、プログラミング可能なウェブサイトは「今まさに旬を迎えたコンセプトだ」と語った。
MicrosoftのeHome部門担当コーポレートバイスプレジデントJoe Belfiore氏もまた、21日の基調講演の中で、ソフトウェア企業がWindows Vista向けの機能を開発するようになると述べた。同氏は、Yahooサイトから音楽データをPCに取り込むYahoo向け機能を、参考例として紹介した。
さらにBelfioreは、Microsoftはサードパーティが開発した機能を扱うサイトを開設し、ハードウェア/ソフトウェア企業がそうした機能を配布するのを支援していくとも発表した。
Live Developer Centerは、開発者にアプリケーションを作製するよう働きかけ、Microsoftが同社のWebサービスと連係するサードパーティソフトウェアのポートフォリオを拡充できるようにすることを目的としている。MSN Messengerや「Hotmail」などの一部の既存サービスは、Liveブランドへの変更が進められている。
Microsoftが展開しているOffice LiveなどのLiveサービスは、業務アプリケーションとホスティングサービスを結びつけようとするものだ。
Gates氏によると、これは、Liveサービスの拡充を進めるMicrosoftにとっての「テーマ」にもなっているという。
「リッチクライアントアプリケーションとウェブアプリケーションのそれぞれが持つ特性を補完し合いたいという考え方だ--これは、私たちが追求している大きなテーマだ。ローカルアプリケーションのリッチさや応答性を欲しがる人も多いだろう」(Gates氏)
Live Developer Centerでは、技術情報だけでなく、広告や、オンライン顧客との関係を構築する方法、マッシュアップアプリケーションを記述して収入を得る方法についても、情報が提供される。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ