カリフォルニア州サンタクララ発--AppleはWorldwide Developers Conference(WWDC)で、MacやiPhoneのソフトウェア開発などを取り上げることを期待されているが、同社は並列処理についても触れるかもしれない。
Nvidiaの最高経営責任者(CEO)であるJen-Hsun Huang氏は先週インタビューで、AppleにはWWDCを盛り上げるための一環として、NvidiaのCUDAテクノロジに関する計画があるかもしれないことを示唆した。ソフトウェア開発者らはCUDAというプログラミング技術を使うことで、MacBook Proに搭載されているNvidiaのGeForce 8600Mなどのグラフィックスプロセッサ独自の並列処理機能を活用することができる。Nvidiaは2月に、Mac OS X向けにCUDAのベータ版をリリースしている。
Huang氏は、「AppleはCUDAについて熟知している」と述べ、同社が、Macでのグラフィックスチップの活用をより簡単にするため、このNvidiaの技術を正式に採用する準備が整っている可能性を示唆した。Appleは同技術を実装する際、「CUDAとは呼ばず、別の呼び名を付けるだろう」とHuang氏は、4日にNvidiaの本社で行われたインタビューで述べた。
ソフトウェア開発者らは、グラフィックスチップの可能性に関心を持っている。これは、異なる種類のタスクを同時に実行可能な並列処理を採用することができるからだ。IntelとAMDのCPUは汎用プロセッサとして設計されているため、プログラマーがチップに送るコードはどの様な種類のものでも処理することができる。しかし、マルチコアチップが登場するまで、こうしたCPUは基本的に1つのタスクを処理してから次のタスクに取りかかるというように設計されていた。そして、こうしたチップ向けのソフトウェアはそれに即して設計されてきた。
一方で、GPUは、タスクをずっと小さく分割し、高速でそのほかのタスクと並列に処理する。しかし、グラフィックスソフトウェアや高性能なコンピューティングアプリケーションのような特別なソフトウェアしか、この利点を生かすことはできない。NvidiaとAMD、Intelは、一般のプログラマーでもグラフィックスプロセッサのこの独自の機能を活用可能にするため取り組んでいる。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ