業界コンソーシアムのKhronos Groupはシンガポールで現地時間12月9日、API仕様「OpenCL 1.0」を公開した。OpenCLは、Appleが最初に提案したものだが、グラフィックチップ企業のNVIDIAやAdvanced Micro Devices(AMD)など多くの企業から支持を獲得し、業界標準となった。
OpenCL(Open Computing Language)は、基本的には3Dグラフィックスとコンピュータオーディオのオープンな業界標準で、グラフィックスプロセッシングユニット(GPU)の性能を拡張することを目的とする。
意外なことではないが、NVIDIAやAMDのグラフィックス部門であるATI Technologiesなど、グラフィックチップ企業は早々とOpenCL 1.0のサポートを表明している。NVIDIAとATIがそれぞれ12月9日に発表したほか、Khronos Groupも多数のサポート企業を含むより詳しい発表を行った。
OpenCLの開発は、NVIDIAのGPUを使って進められてきた。NVIDIAはOpenCLに取り組むことを最初期に表明した企業の1つで、同社のグラフィックスチップはAppleの「MacBook」に搭載されている。
他のコンピュータグラフィックス関連企業としては、Imagination TechnologiesやARMなどもOpenCLの支持を表明している。サポート企業の全リストは長大だが、主だったところでは3DLABS、Broadcom、Electronic Arts、Freescale、IBM、Intel、Nokia、Samsung、Texas Instruments(TI)などの名がある。
OpenCLの言語自体(C言語をベースにしている)は、GPUとCPUの両方での並列コンピューティングをプログラムすることを想定したものだ。Appleは2008年6月に標準の候補としてOpenCLを提案し、「Mac OS 10.6」(開発コード名「Snow Leopard」)への搭載を目標に定めた。
Snow LeopardでのAppleの目標は、数百ものコアを統合するGPUの驚異的な並列コンピューティング能力を、あらゆるアプリケーションが利用できるようにすることだ。
AppleのSoftware Engineering担当シニアバイスプレジデントBertrand Serlet氏は、声明の中で次のように述べた。「われわれは、業界全体がOpenCLを支持したことを大いに喜んでいる。AppleがOpenCLを開発した目的は、Mac OS Xの次期メジャーアップデートであるSnow Leopardで動く各種アプリケーションが、これまでグラフィックアプリケーションしか使えなかった驚異的な処理能力を活用できるようにすることだ」
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ